内容説明
一手一手の中に込められた、勝利への意思、決断、迷い、後悔、喜びと哀しみ。対局者当人が、その指し手を振りかえり、自らそれを言葉にする「自戦記」。そこでは、最も鮮烈な形で戦いの記憶がよみがえる。巨匠たちによる歴史的戦い、トップ棋士たちの若き日の挑戦、革新的戦法の軌跡からアマチュア強豪の愉しみまでがこもった棋譜と文章を収録。文庫オリジナル将棋アンソロジー第2弾。
目次
東北の桃太郎(行方尚史)
初タイトルを獲って(甲斐智美)
夏のプレゼント(森内俊之)
大長考の妙手(加藤一二三)
ひたすらの受け(桜井亮治)
向こうのほうがツイテタ(新井田基信)
亡き恩師に捧げる初タイトル(広瀬章人)
プライドをかけて(桐谷広人)
若さの激突(米長邦雄)
打倒伊藤!(西山実)
奇跡が起きた(伊藤能)
夢へ第一歩(屋敷伸之)
奇襲、功を奏す(林葉直子)
塚田スペシャルは無理筋か(谷川浩司)
もぐらだって空を飛びたい!(小野修一)〔ほか〕
著者等紹介
後藤元気[ゴトウゲンキ]
1978年千葉県生まれ。観戦記者。フリーライター。指導棋士三段。将棋ペンクラブ大賞・観戦記部門大賞を過去二度受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
3
雑誌掲載のみで、書籍にまとめられていない将棋自戦記を多数、発掘収録! 勝手に編集方針のキーワードを作るとは「平成以降」「将棋ジャーナル&NHK将棋講座」「何作か組み合わせ技収録」。2014/10/30
ノンミン
2
将棋の自戦記は、棋譜ではわからないその場の思考過程が本人の言葉で記されるので、読んでいて感動すら覚える。全身を神経を集中して次の一手が模索される。お互いが同じ方向を目指しているのか、違う方向を目指しているかもわからない、そのような心理戦を含む将棋の世界に引き込まれていく作品である。2019/08/14
ウルラニ
0
升田幸三から広瀬章人まで、古今東西の熱い名曲、自戦譜。林葉直子の茶目っ気や、米長邦雄の諧謔が、今となっては懐かしい。2015/02/14