出版社内容情報
「改憲論議」の閉塞状態を打ち破るには、「虎の尾を踏むのを恐れない」言葉の力が必要である。四人の書き手によるユニークな洞察が満載の憲法論!
内容説明
「憲法九条をどうすべきか」。護憲派にも改憲派にも言い分はあるでしょう。しかし、原理主義的に考えているだけではこの閉塞状態はどうにもならない。これを打ち破るには、「虎の尾を踏むのを恐れない」言葉の力が必要なのだ。「九条と自衛隊のねじれによる病の効用」「男は戦争が大好き」「現実性より方向性」「普通の国のチープさ」などなど、他では読めない洞察が満載のユニークな憲法論。
目次
憲法がこのままで何か問題でも?(自衛隊と憲法の「ねじれ」について;憲法九条と自衛隊の「矛盾」 ほか)
改憲したら僕と一緒に兵隊になろう(拝啓天皇陛下様;憲法九条は去勢 ほか)
三十六計、九条に如かず(二〇〇六年、愛国発作を懸念する;国辱の元凶探しを恐れる ほか)
普通の国の寂しい夢―理想と現実が交錯した二十年の意味(明題はそこにあるのではない;「法」の彼岸で生きる人々と、それを見ている観客 ほか)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ
小田嶋隆[オダジマタカシ]
1956年東京赤羽生まれ。コラムニスト
平川克美[ヒラカワカツミ]
1950年東京生まれ。リナックスカフェ社長
町山智浩[マチヤマトモヒロ]
1962年東京生まれ。映画評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
77
2012/10/13 Amazonより届く。2016/8/2〜8/4内田樹氏、平川克美氏、小田嶋隆氏、町山智浩氏による憲法論議。2006年の刊行だが、内容は古くなっていない。町山さんのが一番面白かった。改憲、護憲何れにせよ、感情的議論ではなく、論理的にやらないといかんな。2016/08/04
寺(ご無沙汰しかしてない)
56
御存じ日本国憲法9条を4人の論客が論じた本。『水曜どうでしょう』から拝借したポップなタイトルながら読み応えがあった。元版は2006年に出たものなので、安倍晋三の事が出て来ても「短命の内閣」として扱っているが、今やまた安倍内閣である。一周回ってまた大切な内容の本になった。中でも面白いのは町山智浩『改憲したら僕と一緒に兵隊になろう』という一文。改憲派かと思いきや見事な意見だ。これだけでも読む価値あり。内田樹の「9条と自衛隊は双生児」という意見にも納得。4人全員改憲反対の本。無論私も改憲には反対だ。2014/10/23
林 一歩
29
町山氏が寄稿していると理由で手に取った本。現憲法について思うことは多いが、9条に関していえば法制局の解釈だけでの運用に限界があるのかなぁ~というのが率直な考え。一足飛びに「変えてまえ!」というのは乱暴だと思うが、お花畑で暮らしている人たちみたいに浮世離れした夢物語を是とする気もない。どちらにせよ、改正には国民投票ありきなので自分自身で黒白はつけておかなくてはならない案件だろう。2013/09/25
tetsu
28
★4 井上達夫が憲法9条について述べていたので、この本を読んでみた。 憲法9条と自衛隊の問題である。 井上達夫の9条廃止論にも納得できるし、 憲法は理想、理念で、現実がそれに合ってないという理由で、憲法を変えるべきでないという考えにも、同じように納得できる。 安易に国民投票のような手段で決めるべき問題ではなさそうで、一人ひとりがじっくり考えることこそ重要なのでしょう。2021/04/14
秋 眉雄
28
2006年に毎日新聞社より出されたものが、2012年に筑摩書房より文庫化。その際に各々が追記を加えています。それにしても14年前が何とものどかであったのかと驚きます。今、同じ執筆陣で続編が作られれば、内容はかなり切羽詰まりまくった、深刻極まりまくったものになるでしょうし、少なくともこんなひどく軽々しいタイトルにはならない筈ですが、どうでしょう。2020/05/07
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