ちくま文庫
新 忘れられた日本人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429599
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

佐野眞一がその数十年におよぶ取材で出会った、無私の人、悪党、そして怪人たち。時代の波間に消えて行った忘れえぬ人々を描き出す。

内容説明

佐野眞一がその数十年におよぶ取材で出会った、主人公以上に魅力的な脇役たち。膨大な取材ノートから紡ぎだされるのは、無私の人、悪党、怪人そして…。時代の波間に消えていった忘れえぬ人々を描きだす。

目次

宮本常一の名著との衝撃的な邂逅
『山びこ学校』の江口江一
『山びこ学校』と三人のジャーナリスト
『山びこ学校』と週刊誌記者永井萠二
「すけべっこ」のサンドイッチマン
中内功の盟友・上田照雄
ダイエーを支えた畜肉商・ウエテル
多和田真利とウエテルの息子
ファミレスの草分け・江頭匡一
光クラブの山崎晃嗣、太宰治と藤田田〔ほか〕

著者等紹介

佐野眞一[サノシンイチ]
1947年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。時代をえぐりとるようなルポや、綿密な資料調査と粘り強い取材によって日本近現代史の巨大なテーマに正面から迫る作品を書き続けている。『旅する巨人』で大宅壮一ノンフィクション賞、『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

30
時勢が齎した結果論。運の良し悪しかもしれない・・・。印象的なのが『河島氏』。ビジネス・パーソンとしての”光と影”。年賀状に人柄。一方、『弥勒氏』は”影と光”。共通項は人の(陰側の)性。『西本氏』の先見性と踏み出す勇気も印象的。蛇足だが、元首相や元民社党委員長など著名人の方々は、決して”忘れられた”とは思いませんが、ご愛嬌ですよね。(笑)2014/08/27

Akihiro Nishio

27
もちろん宮本常一へのオマージュ本。50人が取り上げられるが、最初を飾るのはやはり宮本。戦前から戦後にかけて生々しく活躍した名脇役を取り上げる。印象に残ったのは、ダイエーの創始者中内功を取り巻く人々、満州映画協会に関わった人々、沖縄の戦後をしぶとく生き抜いた英傑たち。戦争中に財をなすには軍部と癒着する以上のことはないことも知る。蒟蒻新聞の下りも良かった。何人かについては別書でもっと深追いしたい。2019/02/07

犬養三千代

9
読み応えのあった一冊。佐野節といってもいいような切り込み型の文章が心地よい。半分くらいの人知りませんでしたわ。ワンマン経営者に仕えた河島博さん、西四辻さん、照屋敏子さんはもっと知りたいと思った。戦争商人、沖縄利権、満映、奥が深い。溺れそうだ2021/03/05

壱萬弐仟縁

5
藤田田の言葉「東大を出るようなヤツはみんな変態だ。国民の税金で勉強させてもらって卒業すると役人になる。資本主義の世の中でこんなバカげた話はない」(64ページ)。氏は東大法学部を出てマックの異色の人。評者は殆ど知らない人物ばかりで、忘れられた、というよりも、知らなかった人たちの人生を浮き彫りにしている気がした。後藤正治氏の解説にあるように、「怪人たち」(323ページ)と称される登場人物には、日本人らしくない個性的な人たちにみえる。「すけべっこ」(36ページ)とは無縁の評者からすれば、ハトフミオ氏は異人。2012/09/21

ウチ●

2
民俗学者・宮本常一「忘れられた日本人」へのオマージュ。宮本がもし、聞き取らなかったらこの世に残らなかった庶民たちのライフヒストリー、佐野眞版では主にひと時代を築いた者たちの影や、その周辺に存在した人々に光を当ててみる。京浜急行がプロ野球チーム(しかも女子!)持ってた、とかトリビア的なことも多数。上質なノンフィクションの短編集として楽しめましたが、佐野眞作品群のダイジェストとして役に立ちそうです。2014/11/26

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