出版社内容情報
「西洋絵画は感性で見るものではなく読むものだ」斬新で具体的なメッセージを豊富な図版とともにわかりやすく解説した西洋美術史入門。
内容説明
「西洋絵画は見るものではなく読むものだ」という持論を豊富なエピソードとともにわかりやすく解説した西洋美術史入門。古代ギリシア彫刻から印象派まで、西洋美術を理解するために必要にして十分な基礎知識をエスプリとユーモアを巧みに交えながら「語る」手法は、斬新で具体的。楽しみながら知的好奇心を満たしてくれる一冊。カラー図版多数。
目次
第1章 西洋美術の発祥―古代ギリシアから中世への旅
第2章 フィレンツェに咲いたルネサンスの華
第3章 神の名のもとに―キリスト教絵画の変容
第4章 フェイス―肖像画という名の伝記
第5章 天使からのメッセージ―天使はキューピッドではない!
第6章 人生の喜び―オランダ絵画の魅力
第7章 エデンの園からの解放―風景画の始まりと変遷
第8章 印象派登場―モダンアートの始まり
著者等紹介
木村泰司[キムラタイジ]
1966年生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒。専攻は西洋美術史。ロンドン・サザビーズ美術教養講座にてWorks of Art修了。講演、セミナーなど開催多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
28
文庫版なので絵が小さくて残念。西洋画はその背景を知らないと充分な鑑賞にはならないのか~。今まで展覧会などで見た絵などもあり何も知らずに見ていたんだなぁと思った。オルセーとルーブルの格が違うことも初めて知った。ルーブルは教養が無いと理解できない絵が主だそうだ2013/08/29
rosetta
22
西洋絵画は見るものではなくて読むものと言う作者の考えがよく分かる。ヒエラルキーとして宗教画、歴史画が上位にあって静物、風景画、肖像画、風俗画は下位に位置するというのはかつての取り決めではあるがそれを理解していないと絵は読めない。当然古典の知識がないと絵画を楽しめない。「ルーブルは詰まらなかったけどオルセーは楽しめた」と公言するのは教養のなさを露呈するから言わない方が良いとかのアイロニーは好み。100枚以上の図版があるのは有難いが文庫だと小さすぎて残念。良書である。2018/11/19
おせきはん
20
名画に込められたメッセージの読み方が解説されています。確かに、ギリシア神話やキリスト教を理解していれば、美しい、技法が凄いといった感覚を越えたレベルで西洋の絵画を楽しめるようになりますね。名画を本当に楽しめるよう、西洋の歴史・文化をもっと学ぼうという思いを新たにしました。2020/08/22
こぽぞう☆
20
図書館本。このところ西洋名画の読み解き方的な本を何冊も読んでいるので、あまり新しみはなかったかな。図版が前に纏められている上小さいので、持っている他の本の図版(というくらい見たことある絵ばかり)見ながら読んだ。ギリシア時代から印象派まで網羅しているので、初心者には向いていると思う。2018/11/01
麩之介
20
「美術は見るものではなく、読むものです」「感性で近代以前の西洋美術を見ることなど不可能です」―のっけからパンチをくらわしてくださる。「そんなこといったって、読み方がわからないと」なんて弱音のひとつも吐きたくなるけれども、この本が簡にして要を得たガイドとなってくれる。一冊で2,400年の西洋美術史を網羅しようというのだから「その時代のエッセンスをつかむ」ことにポイントを絞った親切設計。美術館に出かける前におさらいするのにいい分量だ。表紙は美術館で説明を受ける子供たちの写真。この本を読む我々の姿をそこに見る。2017/04/04