出版社内容情報
孔乙己(魯迅) ジュール叔父(モーパッサン) 不精の代参(桂米朝演) 変装狂(金子光晴) よじょう(山本周五郎) 坐っている(富士正晴)など23篇
内容説明
なにごともせぬのが一番。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
34
全てのモチベーションが雲散霧消してしまったとき、穴蔵の中に見出したのは一匹の怠けものだった。 いつの世でも日陰者でしかないこの「異形の者」を正面切って取り上げて、一冊のアンソロジーにしてみせるとは、まったく編集者というのは偉いものだ。 さて、この世知辛い世の中を、僕の先輩達はどうやって生きていったのだろうか。 『怠けもの死すべし』とのスローガンが、往時の『安保反対』のように声高に叫ばれる中、怠けものは如何にして生き延びるべきなのだろうか。/ 2023/01/24
123456789wanko
9
詩に小説にエッセイとあらゆる表現で、古今東西の作者が怠けものを描いた作品集。よくぞこれだけ集めたと感心するほど、とにかく怠惰な話のオンパレード。読むと、自分はここまで怠けものではないと安心したり、一方で一緒にだら〜と過ごしたくなったり。ビバ、怠けもの!2013/05/22
まかあい
4
後半の日本の作家の作品たちが、がぜんおもしろい!森先生の解説がさらにすばらしい!!2016/01/07
N田
4
選者の感覚が合わない。岡本かの子の「老妓抄」だけがダントツに良かった。2015/12/22
Yutaro Ito
3
感想を書くのもめんどくさい。と怠けずに、200字足らずなので書こうか笑この本の中でも太宰治の「懶惰の歌留多」が面白かった。筆が進まない怠惰な自分を責めつつ、食うために切羽詰まったところでテキトーに考えた、いろは歌順に思いついた言葉を書いていく試み。最初のうちは言葉とともに一味利いたストーリーが添えられているけど、徐々にストーリーは短くなり、最後は「よ」「夜の次には朝がくる」で終わり。うん、書いてるうちに朝が来てしまったんだね。というかいろは歌最後までいってないから。。作者のセンスが感じられる作品。2012/08/27