内容説明
真面目なサラリーマンだった著者が、有給休暇を使い果たして旅したアジア各地の脱力系エピソード満載の爆笑体験記。若き宮田青年は、数々の失態を繰り返しながら旅の醍醐味と人生のほろ苦さを学んでゆく。誰もが経験するような旅の日常を、誰も追随できない独特の感性と文体で綴る鮮烈な処女作!エッセイスト・タマキングの底力を感じる一冊。
目次
そんなんじゃだめだ熊男(トルコ)
中国悠久のやっちゃえ、やっちゃえ(中国)
まずはインド人から悔い改めよ(スリランカ・インド)
アイスウーロン茶の謎(香港)
南の国で戒める(ベトナム)
全面的に私が漕いだ件(ネパール)
スーさんの屁こき馬(ミャンマー)
ウミウシを呼べ、ウミウシを(バリ島)
標高5545メートルの真実(ヒマラヤ)
謎の女一号二号(タイ)
死海と肛門の秘密(イスラエル)
出張の海(パラオ)
雪山を勘弁してやる(日本)
不幸の小包(ベトナム)
坊主オブ・ザ・イヤー(ブータン)
花畑パカパカ王子(シルクロード)
著者等紹介
宮田珠己[ミヤタタマキ]
1964年兵庫県生まれ。大阪大学工学部卒業後、会社勤めの傍らアジア各地を旅する。旅への思いを断ち切れず、退職。現在は旅とレジャーを中心としつつ幅広い分野で執筆活動を続けている。2010年4月よりwebちくまで「四次元温泉日記」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
384
著者はたくさんの旅行記を上梓しており、そのことからは読者の人気も高いのだと思われる。本書はそんな著者がまだ会社勤めをしながら旅行した時代のもの。アジアの各地を精力的に駆け巡っているのだが、私は残念ながら彼の文体に馴染めなかった。また、当然ながら多かれ少なかれ旅行ライターにも自己表現がなされるのだが、この人の場合は自己が前に出過ぎていて、これではどこに行っても同じではないかということになりかねない。そんな中では、「標高5545メートルの真実」のカラパタール行はその土地の情景と自己とが幸福な一致を見せている。2021/03/17
saga
49
著者との出会いは「だいたい四国八十八ヶ所」で、いいおっさんになった著者の文章を体験した後で読むデビュー作は、狂おしいまでにバカバカしく、なおかつ自費出版という驚きの作品。世界のちょっと危なめな国で、ちょっと危ない目に遭いながら、それをものともしない若さ。中国人女性とのロマンス。若さの中にある見当違いな真面目さ。すべてが素晴らしい。しかも、解説者にまで影響を及ぼす文体。おもしろいっ!2014/04/03
小太郎
47
何年振りの再読かなと思ったら、なんと25年前、最初に読んだ時は行ってる場所が被っていたので、そうそうそうなんだよねと普通の旅行エッセイにはない現場のリアリティと恥じらいと妄想に満ちた内容に抱腹絶倒いたしました(笑)流石に今読むと随分の若書き(デビュー作だものね)やそりゃ笑えないだろう~と突込み所満載。でもちくま文庫で再文庫化というのは何かしらこの本の持ってるパワー(きんに君風)というか魅力が普遍的なのかもしれません。昔行ったアジア旅行を思い出して懐かしかった。★3.52023/07/27
まろまろ
35
すでに目次から笑える。「そんなんじゃだめだ熊男」「中国悠久のやっちゃえやっちゃえ」「まずはインド人から悔い改めよ」・・勘弁して~。本文も1行ごとにオチが待ち構え、顔がニンマリのまま固まってしまう。「信じるものはすくい投げ~」なのだなぁ、IKKOさんに叫んでもらいたい。2022/07/27
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
32
宮田珠巳さんのアジア旅行記。デビュー作らしい。読みながら、つい、ぐふふぐふふと不気味に笑ってしまう。日本人が失ってしまったアジアの人たちの純真さ、子供たちの笑顔の素晴らしさ……みたいなことを言われると鼻白んでしまうタイプなので、こういう旅行記を書く人がもっと増えるといいなーと思う。2017/01/16