ちくま文庫
生と死が創るもの

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427045
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0145

内容説明

この細胞は、悲しがっているの?幼い娘の問いにいのちの意味を教えられる「脳細胞の悲しみ」。飼い犬の死に看取りのあり方を見つめる「実生の椿」。病気だけを切り離し、人間を忘れてしまった医療の問題点を衝く「科学信仰の罪と罰」―全編に溢れる生命への驚きと科学する歓び。科学者ならではの透徹した眼差しといのちへの暖かな慈しみに満ちた珠玉のエッセイ集。

目次

生命の掟(脳細胞の悲しみ;孫 ほか)
遺伝子の宇宙(地縁・血縁;時間のかたち ほか)
書くこと、生きること(本を書く;技 ほか)
生と死が創るもの(死の作法;実生の椿 ほか)

著者等紹介

柳澤桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年東京生まれ。60年お茶の水女子大学理学部を卒業し、アメリカに留学。分子生物学の勃興期に立ち会う。63年コロンビア大学大学院修了。慶應義塾大学医学部助手を経て、三菱化成生命科学研究所主任研究員としてハツカネズミの発生の研究に取り組む。30代より激しい痛みと全身のしびれを伴う原因不明の病に苦しみ、83年同研究所を退職。以来、病床で多数の科学エッセーを執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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shelove

1
少し難しい本だと思います。作者独特の書き方に慣れるまでは、読みにくいかも知れません。私は動物や科学、死生観に興味があったので意外にすんなり読めましたが、途中、数ヵ所で涙が流れました。あまり、本を読んで泣くことはないので自分でも驚きました。すっと心に入ってさっと去っていく様な、私にはそう感じられる本でした。文系と理系の枠を越えたいと思っている方にはお薦めです。2016/12/07

はぎのり

0
論争の本ではないのに、いどんでくるような文の数々。科学者である著者の冷めた眼差しに、ドキリとする。それでいて、ところどころ垣間見える熱情に、読んでいて胸が高まる。死を覚える科学者だからこそ、生まれてくる言葉があるのだろうか。2012/11/22

あきこ

0
柳沢さん2冊目。科学者の眼から見た日常の綴り。初めの「脳細胞の悲しみ」のお嬢さんの一言はなんだか胸に来るものがあったな。後半の科学の進歩と人間の傲慢に通じる、何か大切な気付きのようだった。それは幼児でもわかる人間の本来持っている心の問題なのに、大人がわからなくなっているという情けなさよ。作者は科学者としての人生を突然の病で断念した。その悔しさは私にはきっと計り知れないものだろう。しかし、科学者であったことで、見えてくる問題点を非常にわかりやすく著してくれている。(もっとわかりやすいとうれしいが・・) ちょ2011/08/25

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