ちくま文庫<br> 分数ができない大学生 (新版)

ちくま文庫
分数ができない大学生 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426888
  • NDC分類 375.41
  • Cコード C0137

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

小数や分数の計算にも四苦八苦する大学生たち―「ゆとり教育」に警鐘を鳴らし、学力低下論争の口火を切った話題の書。その後の教育論議に大きな影響を及ぼし、「ゆとり」是正の先鞭をつけることとなった。あれから10年、学力低下問題の解決に程遠い現状を目の前にして、本書の問題提起は、いまだ色あせていない。第1回日本数学会出版賞受賞。

目次

少数科目入試のもたらしたもの
創造性論議の落とし穴
職場でも不可欠な論理的思考
数学は役に立たないのか
数学教育の重要性
教養部廃止と理数離れ
腐った教授、腐った学生相手に奮戦す
小学校における「数学の危機」
日本の中高生の学力
京大生の数学力
日本の大学生の数学力―学力調査
文系学生の数学力ここが問題!

著者等紹介

岡部恒治[オカベツネハル]
1948年生まれ。東京大学理学部卒、同大学院修士課程修了。都立大学助手、埼玉大学助教授を経て1989年埼玉大学経済学部教授。専攻は位相幾何学・数学教育

戸瀬信之[トセノブユキ]
1959年生まれ。東京大学理学部数学科卒、同大学院博士課程中退、理学博士(東京大学)。北海道大学理学部助教授を経て、1998年より慶應義塾大学経済学部教授。専攻は数学(代数解析)

西村和雄[ニシムラカズオ]
1946年生まれ。東京大学農学部卒、ロチェスター大学大学院経済学研究科博士課程修了。Ph.D.。東京都立大学助教授を経テ、1997年より京都大学経済研究所教授。専攻は数理経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

7
1999年初版。大学生の学力低下は大学全入時代から言われているが、本著は特に数学力低下が焦点。12本の論文+討論収録。ただ、3名の編者が「大学数学基礎教育ワーキンググループ」等のメンバーだったという言及のみで、どのような趣旨で本論文が集められたか説明なし。やや不親切。当然面白いのもあれば、そうでないものも。最初の「小数科目入試がもたらしたもの」が一番目を引き、数学力低下の原因を国際的に的確に示している。結局は大学入試から外れたら勉強しないのは数学に限らず。しかし、文系にも数学の素養は必要。何とかしないと。2021/06/21

稜哉

3
二流私文に数学満点で入学した元理系としては確かに同級生にそれを感じることはある。 あ〜数学やりて〜2020/08/24

かつお

3
この本で数学を学ぶ意義が明確になった。論理性を鍛えるためには数学が必要であり、論理性はあらゆる分野(自然科学はもちろん、経済学などの社会科学、人文科学)で登場する。文系の人は数学を学ぶべきと書いてあったし、理系も文系科目を学ぶべきとも書いてあった。実際、センター試験を複数科目受けた人の伸びがいいらしい。2015/06/12

1
良書。インパクトある書名に、内容ある文章。 2章がいきなり難関かと思うが、ここを乗り越えられれば他章の記述内容がいかに危機的か理解可能かと。 昨今も分数ができない問題(=勉強嫌い問題)はより悪化している(実感)。"少子化"と"学歴に結びつく勉強のパッケージ化"が止まらぬ流れになっているのが病根かと考える。これは"面接導入"といった大学の入口改革で対処可能な問題ではない。 対策には兎に角中等教育に時間数や教員数を増加させ『余裕』を生むことが必要か。国を支える人的資本のために予算を使って欲しいのだが…2020/05/09

yu-ente-isra

1
タイトルはセンセーショナルだが、中身はきっちりとしている。日本における数学教育に変遷についての批判が主。たしかに、と思うところ多々。中学、高校の教育の質を改善するには、まず少人数制、教師個々の負担減、その後で教師個々の質の向上が良いかと。当時のシンガポールは、中学の時点で微積を学ぶということに驚き。2019/08/04

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