ちくま文庫
ドイツ幻想小説傑作選―ロマン派の森から

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426659
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

石の夢・異界の女―ロマン派の森を彩る戦慄と魅惑のファンタジー!新訳で贈るドイツ・ロマン派の傑作短篇集。

著者等紹介

今泉文子[イマイズミフミコ]
東京大学ドイツ文学科博士課程満期退学。立正大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

97
ドイツの幻想文学ということで5人の作家の作品を紹介されています。私は以前に種村さんが編纂した「ドイツ幻想小説傑作集」(白水社刊)を読んだことがあるのですがひとつもかぶっていないので楽しめました。とくに中編といってもいい「大理石像」「ファールンの鉱山」は訳者の文章もよく幻想と名をうたなくてもいい名作だと思います。また最後に訳者による懇切丁寧な作者と作品の紹介があるのには助かりました。2023/09/17

NAO

68
シャーミッソー、ホフマンといったドイツロマン派の短編のうち、「石の夢・異界の女」をテーマに選ばれた5編。『金髪のエックベルト』は、彼自身にはなんら罪もないのに自分に身近な人物が犯した罪で破滅する男。運命の残酷さを描くという点では、『オィディプス王』に似ている。ホフマンの『ファールンの鉱山』は、実際にファールンの鉱山で起こった事件をもとにした幻想的な話。鉱脈を教えてくれる山の女王に囚われてしまうという話はウラルの鉱山を舞台にした『石の花』と全く同じ。ヨーロッパには、こういった民話が昔からあったのだろう。2020/02/27

藤月はな(灯れ松明の火)

32
「金髪のエッグ・ベルト」と「ファルーンの鉱山」は既読。グリム童話と同じように山、森などの「自然」という、人智が完全に把握できない一種の異界に関わった人々と異界での禁忌を破ったことに対する報いがドイツ幻想小説には投影されているように感じます。そして自然という異界のモノは人に強く、働きかけるのではなくて人がどう、動くかを間接的に促すことによって人との関係性を完結させているのかもしれません。2013/05/11

syaori

16
ドイツ・ロマン派の作家の短編を集めた本です。森の奥深くに住む魔女、人里離れた城、紅玉髄、鉱山などが物語に登場し、この国の幻想は暗い森の奥や木々の間、霧のなかから現れてくるのだなと感じました。どれも面白かったですが、好みでは断然ホフマンの「ファールンの鉱山」です。人ならぬものに魅せられた青年の運命を描き、彼を待ち続ける少女との結末は深い余韻を残すもので、この傑作選の最後を飾るのに相応しかったと思います。グリム兄弟のメルヘンを髣髴とさせる「金髪のエッグベルト」やハッピーエンドの「大理石像」もよかったです。2016/02/08

antoinette

13
最初の2編は「金髪のエックベルト」が想像と違い過ぎた(ぁ)せいもあり、読後長らく放置していてあまり憶えてない。改めて読んだなかでは「アラビアの女預言者」メリュックのキャラクターが秀逸だった(哀れだけど)。「大理石像」は幻想化されたイタリアの情景描写が麗わしく、夏の夕暮れのあたたかな微風が吹き薫ってくるよう。「ファールンの鉱山」の鉱物妄想もなかなかでした。2017/04/22

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