内容説明
パスティーシュとは、引用により、新しくて意外な理解をなるほど感のうちに与えてくれるもの。著者のお薦めパスティーシュ、本巻には、言葉の面白さで遊んだ16作品を収録。執筆の舞台裏を明かす自著解説付。
著者等紹介
清水義範[シミズヨシノリ]
1947年名古屋生まれ。愛知教育大学卒業。『蕎麦ときしめん』『永遠のジャック&ベティ』などでパスティーシュの手法を用いて話題になる。1988年『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞を受賞。その後もパスティーシュ作品を数多く発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふう
8
表題作「インパクトの瞬間」、「CM歳時記」、「鉄板社文庫・解説目録」、「註釈物陰」、「序文」などどれも面白いが、久しぶりに読んだ「国語入試問題必勝法」がやっぱり最高。「色々あった。」ってフレーズ、いつか使いたいなと思ってるうちに学生生活終わっちゃって非常に残念w 2017/09/12
Gamemaker_K
7
全部面白いのだが、とりわけ「序文」という話は最高に面白い。ほんとに「老人」の描き方が巧みだなとつくづく思う。「序文」だけでも読んでほしいです。「国語入試問題必勝法」は、昔中学生の国語の家庭教師をしていた時に試しにやらせてみたところマジで成績が上がって驚いたことがある。すぐに改めさせたが、今から思うと実に怖いエピソードだ。2012/05/11
nora
6
パスティーシュの名手、清水義範の言葉の面白さで選んだ16作品。これがつまらないようなら、世の中に面白い本はおまへんで。一家に一冊、笑いの常備薬、あんさんの家にも備えはったらどないだ。2009/02/19
kthk arm
5
2023年111冊目。取扱い説明書、国語入試問題、文庫の解説などをベースにした、言葉の面白さを探求したパスティーシュ集。2023/11/01
unknown
4
とある本の別冊注釈集が、注釈という形をとりながら次第に親本を相手に喧嘩をおっぱじめてしまう『注釈物語』。著作を解説してるかと思いきや好き勝手やらかす文庫目録パロディ『鉄板社文庫・解説目録』。「古事記」の登場人物の名前のややこしさや内容のわかりにくさを、現代の事象に当て嵌めて書き、当て字祭りと化す『宮事記』がツボにハマった。阿奈多河利波那伊出須迦。また、売り言葉の表現についてチクリと一刺しした表題作は目からウロコ。「コクがあるのにキレがある」然り、曖昧な表現なのに無意識のうちに受け入れているフレーズは多い。2012/02/17