内容説明
猟奇とあやかしの果てまで行ってみよう―18編収録。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894‐1965。本名平井太郎。三重県名張の生まれ。早稲田の学生時代に英米の推理小説を耽読。卒業後、会社員、古本屋、新聞記者など職業を転々としたのち、大正12年(1923)、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばりぼー
60
「押絵と旅する男」と「群集の中のロビンソン・クルーソー」(随想)が目当てで借りました。やはり乱歩の真骨頂は奇想・幻想小説にあるというのがよくわかります。「そんなバカな⁉︎」と声を上げてしまうほど荒唐無稽と紙一重、でも強引に納得させられてしまう魅力があり、これを子供の時に読んでいたら望遠鏡は絶対に逆さに覗けなくなっていたでしょうね(笑)。代表的な短編を読むだけなら、新潮文庫の「傑作選」で十分でしょう。「探偵小説の謎」で内外の名作を紹介していますが、ネタばらしの連発ですので要注意、私はすっとばしました。2015/05/09
優希
46
面白かったです。乱歩のエッセイも収録されているのが嬉しいところでした。2022/02/08
優希
40
再読です。やっぱり乱歩は面白いと思わされました。初期の短編、エッセイ、推理小説への評論など内容も充実しているように思いました。2023/10/24
読書好きのハシビロコウ
13
夏になると乱歩を読みたくなります。うだるような暑さの中に見る蜃気楼のような幻想のイメージが印象にあるためでしょう。初っ端に収録されている「白昼夢」をはじめ、この本にはまさにそうした雰囲気の作品がたくさん収められています。特に好きなのは「押絵と旅する男」。不気味ながらも温かみのある余韻が好きです。そして、今回まとまった作品を読んで気付いたことは、乱歩はホラーというイメージだけども、怖い雰囲気を漂わせて、「なーんちゃって、驚いた?」というオチが多く、乱歩自身怖いのはあまり好きじゃないのでは?ということでした。2023/08/03
海恵 ふきる
10
乱歩のエッセイを読むのは初めてだったが、これがなかなか儲けものであった。『押絵と旅する男』もずっと読んでみたかったので、読めてよかった。素人のぼくが言えることでもないのだが、推理小説家は因果な商売だと思う。どこの国であろうが人間誰しも考えることは一緒なので、トリックの種類なんてたかが知れている。誰かが用いたトリックと同じものを使ってオリジナリティーを出さなければならない。乱歩はストーリーテリングの上手さで他の推理作家と一線を画している。推理小説は数あれど、この幻想性・耽美性・抒情性は唯一無二だ。2021/10/30
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