内容説明
童話と詩、それぞれの代表作が一冊に。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896‐1933。岩手県花巻市の生まれ。生家は古着・質商。盛岡の高等農林学校在学中に詩や散文の習作をはじめる。日蓮宗に深く帰依し、一時上京して布教生活を送る。帰郷後は農学校で教えつつ多くの詩や童話を書く。やがて農学校を退職、「羅須地人協会」をつくり、農民への献身の生活に入った。生前はほとんど無名のままに死去。病床のなかで手帳に綴ったのが「雨ニモマケズ」の詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
46
童話に比べて詩の言葉の前衛さに驚きます。童話は森と動物の物語で、そこで喚起されるのは日本の風景よりも、もっとデフォルメされた東洋と西洋の間にある世界の様な自然です。それに対して詩には「有機交流電灯」「宇宙塵」「新生代沖積世」と未来的だが、いかつく、だが不安げな、その当時は耳慣れなかっただろう言葉が並びます。この先進性と、素朴ではない奇妙な生物の世界のアンバランスに、単にノスタルジーではないためにどこか収まりの悪い、だからこそ気になる賢治の再読させる力が潜んでいるような気がします。2022/01/11
優希
45
イーハトーヴォの世界を楽しみました。童話とファンタジーの混じった独特の世界が賢治の持ち味なのだと思います。賢治の描く世界は自分の夢と言えますね。2022/03/02
優希
44
賢治の描く世界はファンタジーと童話の融合なのだと思いました。その独特な世界がイーハトーボとして私たちにキラキラしたものを見せてくれるのだと思います。子供の頃、貪るように読んだ賢治の世界が大人になってもまた輝きと夢を見せてくれました。2022/08/15
優希
37
賢治の世界はファンタジーと童話の融合で成立しているのだと思いました。独特の世界観はイーハトーボとしてキラキラ輝く宝石のような世界観なのです。2023/11/17
東谷くまみ
34
昨日二人の読み友さんが賢治関連の本を読んでいたので、懐かしくなっていくつか拾い読み。作り出される言葉が印象的で音読したくなる「やまなし」、詩情豊かでまるで私もこっそり隠れて眺めているような「鹿踊りのはじまり」。小さい頃から大好きだった「セロ弾きのゴーシュ」「注文の多い料理店」などはいくつになっても、結末がわかっていてもワクワクする。岩手の豊かな自然が目の前に広がり、いつか訪れた時に感じた清涼で懐の深い、おおらかな空気を感じながら読了。2021/06/23