内容説明
江戸幕府の勘定奉行・外国奉行を歴任した小栗上野介。鎖国論が依然として根強いなか、一貫して海外との交流を主張するなど小栗には先見の明があった。幕末の数年間、命脈をつなぐ軍資金を調達できたのはひとえに小栗の力だった。しかし、この力ある主戦論者を不安に思う倒幕軍は、小栗追討令を出す―。江戸末期の幕府を支えた孤独な男の悲劇を描く力作。
目次
倉渕町で
権田の六十五日
不気味な存在
罪なくして斬らる
会津逃避行
越後路
会津戦争
小栗一族の明治
日本という国
国家改造計画
小栗失脚
大英雄にあらず
上州路
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒業。福島民報記者、福島中央テレビ報道制作局長を経て文筆業。2002年日本大学大学院総合社会情報研究科修了。『奥羽越列藩同盟』(中公新書)で1996年度福島民報出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mazda
28
幕末、旧政府軍の幕臣として徳川家について最後まで戦おうとしていた小栗ですが、慶喜の弱腰のせいで田舎にもどることになりました。しかし、そこで待っていたのは、多額のお金を持っているという根も葉もない噂と、それに翻弄されて小栗を襲撃しようとする地元民でした。何とか追い返しますが、このせいで無実の罪を着せられ斬られてしまいます。小栗は、今の横須賀基地の基礎を作った人で、このおかげで日露戦争に勝つことができた、と言っても過言ではありません。これからもっと小栗のことを学んでいきたいと思います。2016/06/28
とみやん📖
3
これは面白かった。司馬遼太郎の「明治という国家」を先日読んだ中で、小栗上野介を褒めていたくだりがあり、関心があった。小栗と言えば、昔TBSで徳川埋蔵金の特番でいつも出てくる名前(笑) この本でもご多分に漏れず、勝海舟とどちらが上か問答が出てくる。2人とも英傑だったのは間違いない。 榎本武揚、河井継之助、岩倉具視、小栗上野介と関連本を読んだので、次は大村益次郎、つまり司馬遼太郎の「花神」を満を持して読みたい。これは楽しみで仕方ない。2025/02/10
ひろ
2
筆者の尋常でない情熱と愛情があっても、この人物が結局どのような歴史的貢献をしたのか、浮き彫りにすることはできていない。勝者による歴史「作り」がいかに根深いか、驚く。2014/10/20
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