内容説明
エマはフランク・チャーチルと軽い恋のたわむれを楽しむ。優雅で冷たい感じのジェイン・フェアファクスに対抗意識を燃やし、ジェインが道ならぬ恋に落ちているのではないかと疑う。しかし、ジェインの隠された事実、そしてハリエットの意外な告白。エマの心は千々に乱れ、思いもよらぬ展開が待ちうける―。オースティン円熟期の最高傑作を明快な新訳でおくる。
著者等紹介
オースティン,ジェイン[オースティン,ジェイン][Austen,Jane]
1775‐1817。イギリスの小説家。おもに結婚話を題材とした、平凡な日常生活のドラマを皮肉とユーモアをもって描き、完璧な芸術へ高めたと言われる
中野康司[ナカノコウジ]
1946年神奈川県生まれ。青山学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
201
下巻に入っても、エマの妄想は止まることを 知らない。ひどく ホームドラマ的な この物語…結婚と身分と恋の話が 延々と 続く。最後は 落ち着くところに 落ち着いた 印象だが…この作品、正直 登場人物に全く 魅力がなく、メリハリに乏しい 物語だった。 2018/09/27
のっち♬
155
チャーチルと軽い恋の戯れを楽しむ一方で優雅なジェインに対抗意識を燃やすエマだが、思わぬ事実に翻弄されてゆく。エマが繰り返す勘違いに容赦なく皮肉を浴びせる著者。それでも自らの失敗を反省する謙虚さと責任感を持ち合わせているので一応憎めなさはある、実際そこがなければナイトリーだってまず寄りつかないだろう。「心のやさしさに勝る魅力はないわ」—今作はヒロインの欠点が浮き彫りな分、ヒーローの造形が余りに理想的過ぎる。物語を彩る曲者揃いの脇役たちのユーモラスなやり取りやラブコメの王道的展開におけるエマの煩悶ぶりが痛快。2017/07/11
みつ
72
今回も楽しい時間を過ごせたオースティン体験。エマが世話を焼いたハリエットとそのお相手と想定したフランク、完璧であるがゆえに気になる存在で距離を置くジェイン、エマに率直に苦言を呈するナイトリー氏、いつも健康を気に病む娘を溺愛する父ウッドハウス氏をはじめ、登場人物表に出てくる誰もがくっきりと性格づけられ、延々続く会話も飽きさせない。嫌われる人物、滑稽な人物は最後まで変わることなく描かれる。最後に3組のカップルが成立するのは予想通り。ここに至って「身分相応」という概念が再度表面化し、その点では時代を感じさせる。2023/11/26
星落秋風五丈原
67
【ガーディアン必読1000冊】ところでフランクは、エマに求婚していない。むしろ第三者が見ればエマではなく別の人を気にしている事が明らかにわかる描き方をしている。この辺りはオースティンのうまさで、最後に自分の幸せがセーフゾーンだったことを喜ぶ箇所も含めてエマのおバカさんぶりを巧みに表現している。エマがそんなにおバカさんではないんですよ、と言いたいがためにもう一人のラスボス、エルトン夫人を登場させる。個人的にはこれだけ他人に迷惑をかけたヒロインは、結ばれる前にもう一山越えてほしかったなぁ。2019/08/29
たかしくん。
66
有名な「高慢と偏見」と比べても、完成度は寧ろ「エマ」の方が高いと感じます。下巻も相変わらず、生意気なお嬢エマは健在ですが、更にキャラの濃いエルトン夫人が登場!ハイキングやホームパーティを通じて、複雑ながらも微笑ましい男女の駆け引きが繰り広げられて…。エマが自分の非に気づかされたきっかけとなった相手は、三枚目の存在であるベイツ嬢ですが、このことも、本作品の無駄の無さを象徴していると感じます。結末もいい意味でどんでん返しが織り込まれてましたね!オースティンが、なんか、橋田寿賀子に見えてきましたような(^ー^)2016/04/12
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