ちくま日本文学全集 〈036〉 中島敦 中島敦

ちくま日本文学全集 〈036〉 中島敦 中島敦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 16X12cm
  • 商品コード 9784480102362
  • NDC分類 918.6
  • Cコード C0393

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

兵士O

29
【李陵】人間の心にある純粋な気持ち(それを別名自意識と呼ぶのだが)それを作中の司馬遷、李陵、蘇武に託して言わしている。それは人物は違えど作者中島敦の心の声。同じ源から出ている。特に司馬遷の記述は表現者中島敦の側面が出ている。歴史を「述べる」ことと「作る」ことの違い。人物を述べるだけでは始皇帝も項羽も同じ権力者に過ぎない。しかし作るすなわちフィクションを入れることで、例えば項羽の垓下での最期のように人物の個性を描き分けることができる。この作品でも実際よりも英雄をオーバーに描くことにより悲劇性が際立っている!2025/03/18

こばちん

8
決して平易な文章ではないし、漢文チックな難解な言葉が並んでいるのだけれど、何でだろう、読んでいて気持ち良くなる、文章を読む楽しさを感じさせてくれる作家だと思う。「名人伝」「山月記」「弟子」「李陵」、ただただ美しい文章です。2019/04/11

のりまき せんべい

5
中島敦の作品には、彼の云う「懐疑的な傍観者」が良く出てくる。先哲達の思索を正確に辿ることが出来、又それを好みもするが、どの哲学・思想も、同程度正しくて、同程度間違っているように感ぜられ、不確かである以上行為や態度を留保せざるを得ない。そうして結句は「鈍物として歯牙にも掛けない連中」の下命を拝せざる得ない人間。解説で池澤夏樹は彼を「知識人的作家」だと言った。知識人の「単純さ」への軽蔑と、それの裏返しとしての憧憬を上手く言い当てる表現だと思った。2012/02/20

Rockwell

5
個人的に『文字禍』が好きです。一つの文字を凝視していると、だんだん意味の無い線の集合体にしか見えなくなってくるというのは誰もが体験することだと思います。それをこういう設定でここまで深く描けるなんて、中島敦は素晴らしい!2010/05/14

isfahan

5
純文学作家の中で一番好きだ!山月記何度読み返したかわからない。2008/11/14

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