出版社内容情報
理工系大学生必須の線型代数を、その生態のイメージと意味のセンスを大事にしつつ、基礎的な概念をひとつひとつユーモアを交え丁寧に説明する。
内容説明
線型代数は大学教養課程で学ぶ数学の柱のひとつだが、もう一方の柱、解析学ほど学生には定着していない。これは、線型代数がどういう世界を語り、どのような生態なのか、長い歴史のある解析学と較べ、見えにくいことによる、と著者は言う。物理学や工学、化学、経済学、情報系など多くの分野で有効な武器として使われている線型代数をイメージや意味のセンスを大切にしながら、根本的な概念からひとつひとつ丁寧に説明する。「基礎」の骨格をくっきり際立たせた一味違った入門書。
目次
なぜ線型代数か
多次元量の乗法
直線と平面
次元
関数空間
変換群
内積
幾何
面積
行列式
3次元空間
複素数
固有値
2時曲面
極地
振動
著者等紹介
森毅[モリツヨシ]
1928‐2010年。東京生まれ。数学者。東京大学理学部数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、また民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。自由な発想による論評の鋭さから、“一刀斎”と呼ばれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アドソ
15
高校生の頃、頭のいい(フリをした)生徒が読むのが森先生の本だった。当時は手を伸ばそうとも思わなかったが、今読んでもやっぱり高校生がわかるような内容ではない。難解な内容と軽妙な語り口のギャップがウケていたのだろう。いまは高校で行列をやらないらしいけど、それに反して社会ではビッグデータ解析、機械学習、データマイニングなど行列を利用する局面は増えているし、それをヤサシク解説した本もたくさんでている。こんな空前の「線形代数時代」の到来を、草葉の陰の森先生はどんな思いで見ているのだろうか。2020/08/20
オザマチ
14
二次曲面や線形微分方程式への応用、さらには一部微分形式や無限次元ベクトル空間まで扱っていて、話題のレベルは高い。ちょくちょく余計な話や言葉が入るのが面白い。これ一冊で線形代数を勉強は無理だけど、著者のノリについていけるなら副読本としておすすめ。2022/02/27
元よしだ
6
すごい!!線形代数なのに普通に読める!! さすが梅田亨先生のご師匠さん~ また電磁気学についての記述もあり マセマ物理基礎 を勉強するモチベーションになりました2020/01/17
Kenji Hiranabe
1
羽生田さんの熱烈紹介。副題が飛んでるので楽しみ。2020/07/05