出版社内容情報
「道教がわかれば、中国がわかる」と魯迅は言った。伝統宗教として現在でも民衆に根強く崇拝されている道教の全貌とその究極的真理を詳らかにする。
内容説明
中国は儒教の国ではない!道教こそが今でも生き生きと脈打ち、人々から篤い信仰を得ている。「道教がわかれば、中国のことはまるごとわかる」と魯迅は言ったが、中国人の精神構造を知るための鍵は道教なのである。では道教とはなにか?この問いに対する答えは単純ではない。なぜなら、道教は教理、哲学、経典を中心にした宗教体系ではなく、呪術、儀礼、戒律を基礎とした民族宗教であって、文献・資料からだけではその全貌を窺い知ることができないからである。本書では文献による歴史的理解は当然のこととして、東南アジアの華人街の現地調査も踏まえ、中国人のこころの拠りどころとしての「気の宗教」の本質を紹介する。冒頭に初学者のための「道教をめぐるQ&A」を付す。
目次
道教をめぐるQ&A
第1章 さまざまな神々を祀る宮廟
第2章 仙人たちの姿と伝記
第3章 房中術・導引・禹歩―道教に取り込まれる古代の方術(一)
第4章 呪言―道教に取り込まれる古代の方術(二)
第5章 呪符―道教に取り込まれる古代の方術(三)
第6章 煉丹術の成立と展開―外丹の場合
第7章 道教と医薬
第8章 道教の歴史
第9章 日本文化と道教
第10章 現代の道教と気功事情
著者等紹介
坂出祥伸[サカデヨシノブ]
1934年鳥取県生まれ。大阪外国語大学中国語学科卒業、京都大学大学院文学研究科(中国哲学史)修士課程修了。関西大学文学部教授を経て、同大学名誉教授。中国哲学史専攻、文学博士。元・日本道教学会会長・理事、人体科学会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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