ちくま学芸文庫<br> スピノザ『神学政治論』を読む

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スピノザ『神学政治論』を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480096258
  • NDC分類 135.2
  • Cコード C0110

内容説明

聖書の信仰と理性の自由は果たして両立しうるのだろうか―。17世紀、「自由と寛容」を掲げた共和国オランダで、スピノザはこの難問を考察し、『神学政治論』を出版する。だがこの著作は、キリスト教会から「前代未聞の悪質かつ冒涜的な書物」と罵られ禁書とされたばかりか、当時最もリベラルであったデカルト主義者たちからも危険視された。人びとはこの書物の何を恐れたのか。その大いなる逆説をもってスピノザが説いたことは、本当は何だったのか。スピノザ研究の第一人者が、『神学政治論』の謎を、平明な語り口であざやかに読み解く。

目次

1 『神学政治論』のエッセンス(『神学政治論』は何をめぐっているのか;敬虔の文法;文法とその外部;『神学政治論』の孤独)
2 分析と論争的読解(信仰教義をめぐって―スピノザと敬虔の文法;預言の確実性をめぐって―スピノザの預言論;教えの平凡さをめぐって―スピノザの共有信念論;契約説をめぐって―スピノザにおける社会契約と敬虔;奇蹟と迷信をめぐって―スピノザの奇蹟迷信論)
3 『神学政治論』と現代思想(アルチュセールのイデオロギー論とスピノザ;ネグリのマルチチュード論とスピノザ)

著者等紹介

上野修[ウエノオサム]
1951年京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒、大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。哲学・哲学史専攻。山口大学人文学部教授などを経て、大阪大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

WATA

63
光文社から出版された「神学・政治論」が上下巻で分厚いため、そのエッセンスをサッとつかもうと手にとった本。この本によれば、神学政治論は出版直後に大論争を引き起こした本らしい。しかし、現代日本人の視点から見ると本の内容にそれほど違和感を感じない。「哲学の目的はもっぱら真理のみであり、これに反して信仰の目的は服従と敬虔以外の何ものでもない」「思想言論の自由は敬虔と共和国の平和を損なうことなしに許容されうる」といった部分が誤解されてきた、と本書は語っている。要点を掴めたので、近いうちに元の本も読む予定。2014/07/21

壱萬参仟縁

19
1670年の作品(007頁)。当時は売買禁止(008頁)。無神論の常識を裏切る作(013頁)。文脈として、自由の実験チャンスと試練(019頁)。スピノザはホッブズ『市民論』を読んでいた。敬虔の文法にリンクさせた(068頁)。『神学政治論』の主題は、最高権力が社会契約による自然権譲渡に基づき、聖書のみをより所に、社会契約を事実上破棄する者を不敬虔なる者と断罪する(116頁)。心の平安にこそ真の救いもしくは幸せが存する(179頁)。   2014/09/20

ラウリスタ~

16
古典新訳で『神学政治論』を読んだのに引き続き。これは入門書や解説書なんかじゃないな、スピノザの矛盾に満ちたレトリックを、それでもスピノザの誠実さにかけて読み解いた書。その結果、躓きの石が一つ解決されるたびに、それよりもはるかに深刻なつまずきに直面してしまう連続。スピノザの一冊の危険書を掘り進めることで、それがどれほど普遍的で現代的な問題を孕んでしまっていたのかを発見してしまう。そっかー、あのおっさんそんな凄い人だったんだ。2016/01/17

Yasomi Mori

5
大変面白かった。17世紀のリベラルな共和国オランダで、なぜスピノザの思想は「無神論者」と糾弾されたのか。彼は「聖書は真理を語る」という大前提を疑う。預言者は無知であったし、人々が各々異なった神の姿を想像しようと構わない、なぜなら聖書は敬虔について教えるに過ぎず、物事の真理とは無関係なのだから、と。聖書のテクストのみに基づき《だれが、いかなる権利に基づき、またいかなる権威をより所に、いかなる者を不敬虔と断罪しうるのか…この問いにかんして客観的な基準と定義を与えること。これこそ『神学政治論』の課題であった》。2017/06/10

amanon

5
非常に刺激的な内容で哲学書としては例外的な程、面白く読めた。また著者独特の軽妙な語り口も魅力的。本書を読んでいると、スピノザという哲学者及び『神学政治論』という書物がいかに特異な、そして謎に満ちた存在であったかということが如実に理解出来る。とりわけ信仰を巡る議論は、難解ではあったが、まさにその特異性の真骨頂ともいえる物で、改めてじっくり読み返したいという気にさせられた。それから終盤の「アルチュセールの~」はスピノザ学者によるアルチュセール論ということで、かなり珍しいもので、内容も示唆に富むものだった。2015/03/26

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