ちくま学芸文庫
宗教生活の基本形態―オーストラリアにおけるトーテム体系〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 511p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480096227
  • NDC分類 163
  • Cコード C0114

出版社内容情報

宗教社会学の古典的名著を清新な新訳で。オーストラリアのトーテミスムにおける儀礼の研究から、宗教の本質的要素=宗教生活の基本形態を析出する。

内容説明

下巻には、霊魂と精霊の概念を扱う第二部「基本的信念」の後半に続いて、禁忌の体系や供犠、また償いの儀礼や聖概念の両義性を検討する第三部「主要な儀礼的態度」を収める。「結論」では、研究結果を再検討し、共通の行為としての宗教儀礼が社会を「作り直す」根源的行為であることを解明する。詳細な訳者解説を付す。

目次

第2部 基本的信念(承前)(霊魂の概念;精霊と神の概念)
第3部 主要な儀礼的態度(消極的祭祀とその機能 禁欲的儀礼;積極的祭祀(供犠の諸要素;擬態的儀礼と因果律;表象的ないしは記念的儀礼)
償いの儀礼と聖概念の両義性)

著者等紹介

デュルケーム,エミール[デュルケーム,エミール] [Durkheim,´Emile]
1858‐1917。フランスの社会学者。コントに始まる社会学を近代的な学問として確立した。ウェーバーの歴史主義的方向性に対して、自然主義的アプローチで知られる。ボルドー大学で教鞭をとり、『社会分業論』や『社会学的方法の基準』、『自殺論』を執筆。のちにソルボンヌ大学に転じ、『道徳教育論』などを著す。その研究成果は宗教学や人類学をはじめ多様な学問分野に広く影響を与えた

山崎亮[ヤマザキマコト]
1958年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、島根大学法文学部教授。宗教学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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てれまこし

4
人間の認識を科学的に再構築するためには、形而上学的ガラクタをかき分けて、個人の恣意には左右されない岩盤を掘り起こさないとならない。現象学は思弁を通じて、言語を介さない純粋経験にそれを求めた。デュルケムは歴史を遡り、人類の「原型」にその素材を求めた。原始宗教には現代の宗教に見られる基本的概念のすべてが揃っている。それどころか、近代の科学や社会制度なども宗教生活の基本形態から根本的に断絶したものではない。人間には歴史を通じて変わらぬ本質がある。哲学ではなく社会学こそが、その本質を明らかにする人間科学である。2019/04/16

井蛙

3
社会は個人の単なる集合ではなく、個人に対して超越的な性格を持つ。それは一方で個人に高揚感を与え、一方では道徳的威力となって個人を抑圧する。こうした社会的エートスこそが宗教の起源であり精髄である訳だが、これは未開社会においては集合表象として物質化される必要がある。トーテムがまさにその事例である。そこで「ボロロ族は金剛インコである」という有名なレヴィ=ブリュールの融即律は原始心性としてではなく、実在の観念的類縁性を見出す科学的説明の萌芽として理解しなければならないという。2018/02/01

R

1
宗教は世界観であり,死生観であり,現生の規定である。誰か一人の手により成立したものではなく,多くの儀礼を介して多数の人によって維持されている。宗教によって生や死が統御され,政治とは別の論理によって社会を支えている。2020/03/22

はやー

1
「概念」も「カテゴリー」も「因果関係」も宗教由来だと論じる話の広げ方は(やりすぎ感はあるが)なんか凄い。儀礼論は普通に面白いし勉強になる。2018/06/13

kungyangyi

0
古典だから一度は通読しておいた方がいいと思って、だいたい2倍速読み上げで聞いた。オーストラリア土着民族のトーテミズムに宗教の最小限プロトタイプを探すという視点のようだ。ところどころ貴重な観察点があったけど、おおむね退屈だった。古さも感じた。やはり義務感で本は読むべきでないのだろうか。とは言え、読んでいないと恥ずかしいし。2021/11/14

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