感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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2
クザーヌス後期、晩年の著作。対話篇の形をとる。対話篇というと当然ギリシアの対話篇が思い浮かび、クザーヌスの写本収集癖もまた思い出されるわけだが、ではアンセルムスや12, 13世紀の人間は対話篇を扱っていなかったろうか、体系的哲学史の知識がないため今この場では即座に判断できない。もしかすると彼の特徴といえるかもわからないが、どうだろう。2018/01/18
くり坊
1
本書は「ドイツ神秘主義叢書7巻」、ニコラウス・クザーヌスの『観察者の指針、すなわち非他なるものについて』を訳出した1冊となっている。全部で24章から成っている構成で、最後に「畏怖すべき師父ニコラウス枢機卿の、『非他なるもの』の徳性についてのテーゼ』という、20の命題が列挙されている文章が付記されている。解説に「クザーヌスの生涯と思想」（塩路憲一著）、そこにが丁寧な著作一覧と年表とがある。解題論文として「ニコラウス・クザーヌスにおける神概念の進展」（松山康國著）も含まれており、こちらも参考になる。2024/08/18
