出版社内容情報
祝祭、漫画、シンボル、デモなど政治の視覚化は大衆の感情をどのように動員したか。ヒトラーが学んだプロパガンダを読み解く「メディア史」の出発点。
内容説明
大衆が政治の舞台に躍り出た20世紀初頭、政党は権力維持に不可欠な民意を調達するため、より強力で説得力あるメディアを求めて熾烈な宣伝戦を繰り広げた。当時、世界最強の組織力を誇ったドイツ社会民主党は、その勝利のイメージをデモ、祝祭、シンボル、漫画、新聞などでいかに表現したのか。また、新たに登場したラジオ放送にどう向き合ったのか。レーニンも称賛したこの社会主義宣伝の「神話」を最も深く学んだ人物こそ、国民社会主義者アドルフ・ヒトラーだった。多くのイラスト資料とともに、市民的公共性からファシスト的公共性への構造転換を鮮やかに解き明かしたメディア史の雄編。
目次
第1章 預言のメディアから予言のメディアへ
第2章 市民的啓蒙新聞から社会主義大衆機関紙へ
第3章 「読書する市民」から「感受する大衆」へ
第4章 社会主義マリアンヌから国民国家ゲルマーニアへ
第5章 新聞政党のラジオ観と労働者的公共圏の崩壊
第6章 「鉤十字」を貫く「三本矢」
終章 シンボルの黄昏―大衆政治におけるシンボルの可能性
補論(風俗史家フックスにおける政治;「ナチ宣伝」という神話)
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生れ。1989年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、京都大学教育学研究科准教授。著書として『「キング」の時代』(岩波書店、サントリー学芸賞)、『言論統制』(中公新書、吉田茂賞)のほか、多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きつね
またの名
馬咲
編集兼発行人
毒モナカジャンボ