• ポイントキャンペーン

ちくま学芸文庫
都市景観の20世紀

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 420,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480095688
  • NDC分類 518.8
  • Cコード C0125

出版社内容情報

都市計画と摩天楼を生んだ19世紀末からポストモダン終焉まで、都市の外見を構成してきた景観要素を考察。『場所の現象学』の著者が迫る都市景観の解読。

内容説明

歴史的町並みがその造られた時代を私たちに語りかけるように、現代の都市景観は近・現代の価値観を体現している。本書は、都市計画と摩天楼を生みだした19世紀末の現代都市の誕生からポストモダンが終焉する20世紀末に至るまでの都市景観の変遷をたどる。コンクリートとガラスのモダン建築、折衷主義的ポストモダン建築、ゾーニング、ニュータウン、高層ビル、ガソリンスタンド、ファーストフードチェーン、ショッピングモール…現代都市の外見を構成してきた景観要素をつぶさにウォッチングし、それらの形を生みだした理念と、それらがそのユーザーに図らずも植えつけてきた意味について卓抜した発想力で考察する。

目次

序章 景観へのゼネラルアプローチ
第1章 未来への回顧―一八九〇年代に描かれた二十世紀後半の景観
第2章 建築における旧様式と新様式―一八八〇年~一九三〇年
第3章 近代都市計画の発明―一八九〇年~一九四〇年
第4章 第一機械時代の日常景観―一九〇〇年~一九四〇年
第5章 建築におけるモダニズムと国際主義―一九〇〇年~一九四〇年
第6章 幻影の時代の景観―一九三〇年~現在
第7章 機能分離都市の計画―一九四五年~一九七五年
第8章 企業化する都市景観―一九四五年~
第9章 モダニズム建築と晩期モダニズム建築―一九四五年~
第10章 都市計画と建築のポストモダニズム―一九七〇年~
第11章 モダニズムの市街地景観とポストモダニズムの町並み

著者等紹介

レルフ,エドワード[レルフ,エドワード] [Relph,Edward]
1944年、ウェールズ生まれ。地理学者。トロント大学地理学科教授

高野岳彦[タカノタケヒコ]
1956年、秋田県生まれ。東北学院大学文学部歴史学科教授

神谷浩夫[カミヤヒロオ]
1956年、愛知県生まれ。金沢大学人間社会環境研究科教授

岩瀬寛之[イワセヒロユキ]
1971年、千葉県生まれ。金沢大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

11
新刊棚。ウィリアム・モリスの『ユートピアだより』に目が留まる。地方分権的な社会主義社会のアイディアの呈示である(044頁)。機械は単調、単純な仕事だけで、快適な仕事は人間の手作業という、いい意味での分業が図られた、権威も貧困も搾取もない社会(同頁)。まさに理想郷だ。ラスキンもそうだが、中世の最良の特徴を再発見して技術革新と結び付け、穏健な社会主義に順応させたモリス(046頁)。1980年代の景観は、残念だが彼の臨んだものではない。商業的物質主義と都市の拡張、中央集権的で退屈なのが現実だった(047頁)。2013/11/26

misui

9
無味乾燥な都市部、ロードサイドの画一化された風景、果ては聖地巡礼やマンションポエムにいたるまで、都市景観についての話題は事欠かない。本書は近現代建築史を辿り、景観の構成要素をクローズアップすることで、都市景観がどのように成立しているのか読み解く示唆を与えてくれる。これを読めば街の風景が一変すること請け合い。必読書レベルのスゴ本ではないかな。2013/12/08

ラウリスタ~

8
19世紀末から20世紀にかけての都市景観の移り変わりを概観する。ミースとかコルビュジエとかにももちろん言及するんだけれども、個々の建築家、建築作品についてどうこういうというよりもその集積としての都市のスカイラインとか外観の変遷ってのが語られる。自動車社会化が進むにつれて街路の風景が変わり(高速でも読めるようなでかい派手な看板、それの乱立への反発からのスタイリッシュながらも独自な建物)、住宅街も変わる。都市計画の理想と現実。ライトとかグロピウスとかの本を読んでるだけでは分からない、現実化されたモダン都市。2014/01/29

脳疣沼

2
景観論の全体像が見渡せる。日本の例が少ないのが残念な部分であるが、たとえば日本各地のロードサイドの派手な看板などは、日本もアメリカも同様な現象であり、それに否定的な反応を呼び起こすのも共通である。日本人は欧米に比べて景観に無頓着なので、こういう本を読んで、意識を高めることは大切だと思う。個人的には電柱を無くして欲しいのだが、無くなる気配がない。2015/02/18

onisjim

2
都市の利用者としての視点でその景観を読み解いていく。注目すべき点をくわしく説明してくれるので、地理学者のような専門家でなくともその楽しみ方がわかろうというもの。2013/12/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7267077
  • ご注意事項