出版社内容情報
流暢な日本語を駆使する著者の「人間主義」は、「戦陣訓」の日本兵をどう変えたか。戦前・戦後の日本および日本人の、もうひとつの真実。
内容説明
ホノルル捕虜収容所に、べらんめえ口調で日本人捕虜たちの度肝をぬいた海軍将校がいた。宣教師の家に生まれ、14歳まで日本で過ごした彼は、捕虜からの情報収集を担当する。アッツ、ガダルカナル、サイパンの「玉砕」。犬も鼠も食べ尽くした地獄さながらのマーシャル諸島。しかし「人情=人間主義」は国や立場を超えるという信念のもと、まず日本兵の階級意識を破壊し、捕虜は恥ではないことを徹底して説く彼の姿は、やがて捕虜たちの自発性を促す。本土に撒かれた「ポツダム宣言」の和訳のビラは、国を想う彼らの協力で生まれた。敗戦後は日本の民主化に努めた。
目次
第1部 戦争(学徒兵;“ズーズー湖畔の宿”;緑の島サイパン ほか)
第2部 日本進駐(“マッカーサーに頼め”;大っきなニコニコ顔;そうねぇー ほか)
第3部 日本の若い者(あの道再び;漫画教育;パリパリ会 ほか)
著者等紹介
ケーリ,オーテス[ケーリ,オーテス] [Cary,Otis]
1922‐2006年。小樽に生まれ、14歳でアメリカに帰国する。1942年、米海軍日本語学校に入学。情報将校として戦場に赴いたあと、ハワイの捕虜収容所長に就く。日本人捕虜の処遇改善や日本語宣伝新聞の編集などに当たった。1947年、アーモスト大学から同志社大学に派遣される。以後、半世紀近く同志社アーモスト館の館長を務めたほか、国際文化会館理事としても日本の国際化に貢献した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
ふらん
勝浩1958
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