ちくま学芸文庫<br> 工学の歴史―機械工学を中心に

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ちくま学芸文庫
工学の歴史―機械工学を中心に

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480094278
  • NDC分類 530.2
  • Cコード C0153

出版社内容情報

オイラー、モンジュ、フーリエ、コーシーらは数学者であり、同時に工学の課題に方策を授けていた。「ものつくりの科学」の歴史をひもとく。

内容説明

工学とは「ものつくりの科学」である。動力を効率よく伝達する歯車の歯型はどのような曲線なのか。蒸気機関が出せる動力と効率は何によって決まってしまうのか。オイラーは伸開線によるインボリュート歯車を、カルノーは熱の理論を樹立した。「ものつくり」は科学に問いを課し、また科学から方策を授かってきた。本書は、その工学の歴史を、おもに機械工学と力学の話題を中心に展開した。技術開発や研究が最先端に達し、もはや参考となる文献・資料がなくなったとき、その解決のヒントは歴史のなかにある。幕末維新や近代日本に関する研究成果も意欲的に取り入れた力作。資料・図版を多数収録。

目次

古代の機械技術と技術学―紀元前5世紀から後9世紀ごろまで
中世の機械技術と技術学(10‐14世紀)
ルネサンス期の機械技術と技術学(15,16世紀)―技術と科学の結合
動力学の誕生と発展(17世紀)―ガリレオからニュートンまで
動力学の展開(18世紀)―解析力学の完成
産業革命と近代エンジニア(18、19世紀)
エコル・ポリテクニク―工学と工学教育の誕生
近代機械工学の夜明け
産業技術の発展と機械工学
機械工学の専門分化と発展1―材料力学、機械力学
機械工学の専門分化と発展2―流体工学、熱工学
近代日本―機械工学の導入と定着
機械工学の現在と未来
終章―工学史への招待

著者等紹介

三輪修三[ミワシュウゾウ]
1931年、名古屋市生まれ。名古屋大学工学部機械学科卒業。(株)明石製作所で振動計測機器の研究開発と設計に従事。その後、青山学院大学教授、同大理工学部長、同大副学長を歴任。同大名誉教授。日本機械学会名誉員。専攻は機械振動学、音楽音響、機械工学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オザマチ

17
学問としての工学の意義や、工学とそれを学んだ者が社会に果たす役割を見直す上で役に立つ。工学が専門ごとに細分化され、学校の授業やキャリア形成の道具になってしまった今の時代こそ、歴史を覗いて役割を再考してみるべきでは?2017/03/03

オザマチ

11
再読。今は工学も細分化が進み、相互の理解ができる人も少なくなったように思う。本書のように特定の分野に偏らない歴史を学ぶことで、自分の専門分野の立ち位置や役割を見直すのも良いと思った。2022/12/10

ほぼひつじ

11
本田宗一郎は「歴史を勉強せよ」と若い技術者に言っていたらしい。航空工学の父と言われるカルマンは「科学者はあるがままの世界を研究し、技術者は見たこともない世界を創造する」と言った。新しい歴史を創りたい人は、今までの変遷を知ろう。工学を勉強していたら、避けては通れない名前がどんどん出てきます。背景を知ることで、ただ覚えていただけの法則や方程式に、血が通ったような印象を持ちました。良い意味で教科書的で、工学系を志す人にオススメです。2015/10/15

ジョニジョニ

5
仕事の役に立つかなーと思ったものの、高度な内容で厳しかった。工業の歴史、だったら良かったんだけど、工学となるととたんに難しくなっちゃうんだよなー。それでも知らないことを眺めているだけでも、面白いような気はします。なかでも磁石を使わずに、南を指しつづけるカラクリの”指南車”、実物を見てみたい!2024/07/28

サンセット

5
よくある科学史の本だと、古代は天文学とかの話が中心だったりするけど、いまいち現代の機械産業とかとの関わりが分かりにくいと感じていた。本書では土木、建築、軍事などの技術史を追いながら、色々な技術が数理化、体系化されていった様子を自然に辿っていて、個人的にはこちらの方が正当な科学史なんではと思った。中国でも抽象的な力学思想の萌芽があったことや、日本の幕末以降の理工教育についても書かれていて、力作だと思う。ただ、終わりの方で書かれた現代の工学に対する議論は根拠が曖昧に思えた。2020/07/02

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