出版社内容情報
琵琶法師の「語り」からテクスト生成への過程を検証し、「盛者必衰」の崩壊感覚の裏側に秘められた王権の目論見を抽出する斬新な入門書。
内容説明
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」に始まる名調子によって、『平家物語』は今も人々の心を魅了している。私たちは通常、それを文字によって理解しているが、実はそれは琵琶法師の語りを通して地域や階層を越えて流通し、中世を通じて日本列島の歴史的な共同性を作り上げることになった。しかも、武家政権を王朝の秩序に組み入れるという王権の側の隠された意図は、現実には破綻したとはいえ以後の武士の動向に大きな影響を与えた。「語り」から「文字」へのテクスト生成の過程とその意味を綿密に検証し、日本史と国文学の境界を超える斬新な入門書。
目次
はじめに―歴史の時間と物語の時間
第1部 歴史の構想(祗園精舎;清盛と重盛;頼朝の挙兵;源平交替史)
第2部 反転する世界(終末の不安;怨霊・天魔・物の怪;テクストの流動)
第3部 平家物語の生成(前「平家」の発生;鎮まらざるもの;悪人の救済;建礼門院の物語)
付録 琵琶法師の位置(身体の刻印;穢れと聖性;異形の王子神;「伊勢平氏はすが目なりけり」;母と子の神;語りの主体)
著者等紹介
兵藤裕己[ヒョウドウヒロミ]
1950年、名古屋生まれ。84年、東京大学大学院博士課程修了。その後、埼玉大学、成城大学を経て、学習院大学教授。文学博士。1996年、『太平記“よみ”の可能性』でサントリー学芸賞を受賞する。専攻は鎌倉・室町時代の文学と芸能。各地の口頭伝承の実地調査を行い、歴史とフィクションの関係に迫る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
佐島楓
1.3manen
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りょく




