出版社内容情報
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内容説明
浦島太郎が龍宮で過ごした日々はじつは数百年だったというが、熊のひと冬の眠りも彼らには一晩かもしれない。そのような時間の感覚の話題に始まって、人それぞれに異なる色彩の感覚に普遍的なものさしはあるのかを考える「測定談義」。その議論は実験や物理学のセンスへの思いがけないほどの深みにまで思考を誘う!ほかに、模型飛行機の動力用ゴムにできるコブはゴムの相変化で潜熱現象に似ている、上りは階段・下りは坂道が体力的に楽だなど、予想外の指摘と考察が楽しい。刺激的な発見に立ち止まり、思わずイメージがふくらみ始めたら、物理の散歩道はもっとずっと楽しくなる。
目次
ミカンの網袋はどうしてつくられたか
ゴムひもエンジンの瘤
階段考
線と点
スキー・ジャンプの力学
文科と理科
○×テスト―その弊害と背景
日本語は変わりつつある
発想能力の裏にひそむもの
覆水盆に返らず
測定談義
裏を見て表を知る
列を乱すのは誰か?
原因と結果
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
48
物理学的に等価でも、現実には同じこととみなすことができない「階段考」。「スキー・ジャンプの力学」は、70年代後半にすでにコンピュータによるシミュレーションが存在した、という快挙と同時に当時の限界をも知って、感慨に満たされる。なにしろ40年が経過しているのであるから。日本語論関係の文章もなかなかおもしろい。「ら抜き」問題は当時からあったのかと!2018/12/19
壱萬弐仟縁
28
1978年初出。スキー・ジャンプの力学(072頁~)では、葛西さんは読まれているのかな? 発想能力の裏にひそむもの:芽の出る知識も芽の出ない知識も共に有用だが、後進国では、いそぎで芽の出ない知識奨励に注力し過ぎ、芽の出る知識に関心が薄くなる。独創の圧殺につながる(144頁)。2016/06/02
nur1202
2
文系と理系の違いとか、日本語の変化についてとか、直接物理について話していないことも含まれる第 4 集。 文系と理系の違いについての文系側からの反論も載っていますが、確かに、(タイトルどおりなんだけど)物理屋さんの見方に偏向している感がありますね。(^^; スキー・ジャンプの力学については翼面についての検討が抜けている気がするんだけど、どうなんだろう?2015/07/04
ptyx
1
★★★2010/07/26