内容説明
11世紀ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの「ルバイヤット」(四行詩集)は、19世紀イギリスの詩人エドワード・フィッツジェラルドの流麗な英訳によって、人生の無常、宿命、酒の讃美などが詠われ、人びとの心を捉えた。その後、各国語に訳され、世界中に名声が広まった。邦訳も、明治以来現在にいたるまで、その数は夥しく、まさに百花繚乱の趣を呈している。本書は、唯一の散文訳として高名なジャスティン・マッカーシーの英訳を底本とした、美しい文語体、散文訳として、「ルバイヤット」邦訳史上屈指の名品として知られるものである。
著者等紹介
ハイヤーム,オマル[ハイヤーム,オマル][Khayy´am,Omar]
1048‐1131年頃。数学・天文学・哲学・医学・歴史・語学など、諸学を極めたペルシャを代表する学者・詩人
マッカーシー,ジャスティン・ハントリー[マッカーシー,ジャスティンハントリー][McCarthy,Justin Huntly]
1860‐1936年。イギリスの下院議員をつとめるかたわら、多くの小説、戯曲、詩を残す
片野文吉[カタノブンキチ]
1884‐1913年。慶應義塾にて形而上学を学ぶ。ロセッティ、テニスン、イェイツなどの翻訳を試みるが夭折(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふくろう
3
文語体ルバイヤット。英語からの重訳。ハイヤームの言葉は無学な人間でもわかるやさしいものであるらしい。とすると岩波版の方が雰囲気は近いのかな。2009/06/12
壱萬参仟縁
1
466に分かれた2~4行という、きわめてシンプルな邦訳から成っている。4行詩という形式なので、単独で読んでもいいような気がする。印象として、酒関係の叙述が結構あったような気がする。人生の無常という意味では、鴨長明の『方丈記』に通じるものがあるのかもしれない。時代や地域が違っても、共通するものがあるというのが新鮮でいい感じをもつ。2012/06/14
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- ラストショウ 集英社文庫