内容説明
「美しい数学とは、つまり詩なのです」いまから数学者になるつもりはないけれど、そんなふうに数学の美しさを楽しめたら…。しかし、わかりきったようなことを論証するのはなぜだろう。わからないとき、数学者はどうしているのだろう。わかったときの喜びってどんなものだろう。見えてないものをどうしてまるで実際にあるように扱えるのだろう。なぜ…。数学の美しさ、愉しみ方、考え方などを、具体的な事例を使い、ユーモアのある語り口で、ていねいに語りほぐします。コンプレックスを軽くしてくれる、心やさしい数学再入門エッセイ。
目次
命名のセンス
判断のセンス
分析のセンス
集中のセンス
「わからない」ということ
「わかりやすい」ということ
言語のセンス
空間のセンス
美的センス
知的センス
公理について
構造について
「無限」のセンス
論証のセンス
「遊び」のセンス
著者等紹介
野崎昭弘[ノザキアキヒロ]
1936年、横浜市生まれ。東京大学理学部数学科卒業。電電公社(現NTT)に勤務後、東京大学、山梨大学、国際基督教大学を経て、大妻女子大学社会情報学部教授。専門はコンピュータ科学の基礎理論。高校数学の教科書の編集・執筆にも20年携わり、その縁で数学教育協議に参加、現在は委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
13
センスと言われたらどうしようもないようだが、生まれながらに数理的な異能を持つ人などほとんどいないのだから、やはり経験によってセンスも磨かれていくのは確かである。ラマヌジャンのタクシー数1792。x^3+y^3=Nを満たす整数解(x,y)が2組存在する最小の自然数Nが1792であるのは有名だ。この話の続きが紹介されている。ラマヌジャンの超越的数感覚を目の当たりにしたハーディはすかさず「ではx^4+y^4=Nならばどうか」と尋ねたという。さすがのラマヌジャンも即答できなかった。ハーディのセンスが光る。2021/02/08
格
3
「数学」という学問に付いていけなくなったのはいつからだろう、と考えながら読んだ。まあ多分中学数学からだろう。更に言えば、算数の応用問題も苦手だったな。とはいえ、例えば人間は数学を作ったのか、それとも発見したのか、というような疑問は常にあって、そういう意味では数学というもの自体には関心がないでもないのだとも思う。専門的な話に入るとちょっと辛いものはありつつ、養ってこなかった脳の部分が解れる感覚もあり楽しい読書だった2025/06/27
NагΑ Насy
3
8〜10章を再読。80年代の数学セミナー連載のはじめの3回がこの3章、他はその展開とあとがきにあった。1章の連分数展開と黄金比のところの導入は、うまいなぁ、と、思う。連載をしていたころはどこで働いていたのか知らないけれど、ICUのジェネードの数学でこんなんやっていたら受けたかった。2014/01/15
山崎崇
2
素敵な本です。 いろんな人に読んでもらいたいです。 数学を好きになる、知るための手助けになるようなことが書いてあります。 あ、数学屋さんってやっぱ変な人ばっかだけど、何かいい人そうかもって思える本です。 たまにクイズみたいな簡単な証明が出てくるので紙とペンもって読むのがおすすめ。
naka-m
2
自分にはちょっと難しい章もあったけど数学の面白さに触れられる本。インドの天才数学者の話特に面白かったなー2014/03/06
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- 和書
- 抱く子は育つ