ちくま学芸文庫
電子と原子核の発見―20世紀物理学を築いた人々 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089670
  • NDC分類 429.6
  • Cコード C0142

内容説明

100年ほど前まで、人類は電子も原子核も陽子も中性子も知らなかった。これら究極の物質はすべて、優れた科学者たちの深い洞察と巧みな実験によってその存在が突き止められた。トムソンによる電子の発見、ミリカンによる電子の電荷の測定、ラザフォードによる原子核の発見、チャドウィックによる中性子の発見…。彼らはどのように推論し、どのような実験で未知の粒子を追いつめていったのか。壮大なドラマが、物理的な厳密さを貫きながら具体的に語られ、力学や電磁気学、熱学も必要に応じわかりやすく解説される。ノーベル賞学者による20世紀物理学への格好の入門書。名著の最新改訂版。

目次

第1章 粒子の世界(基本的な粒子を求めて;科学的表示(指数表示))
第2章 電子の発見(電子をめぐる物理学の歴史;真空放電と陰極線 ほか)
第3章 原子(電荷を測定する;電子の電荷の測定)
第4章 原子核(ラザフォードと原子核の発見;放射能の発見とその解明 ほか)
第5章 その他の粒子(その他の素粒子;光子 ほか)
付録

著者等紹介

ワインバーグ,スティーブン[ワインバーグ,スティーブン][Weinberg,Steven]
1933年、ニューヨーク生まれ。コーネル大学を卒業し、コロンビア大学でPh.D.を取得。現在テキサス大学教授。専門は素粒子物理学。1979年にS・グラショウ、A・サラムとともに電弱理論への貢献でノーベル物理学賞を受賞

本間三郎[ホンマサブロウ]
1935年、群馬県生まれ。東北大学物理学科卒業。東京大学原子核研究所教授を経て同大名誉教授。理学博士。専門は素粒子・原子核物理学。読売東京理工専門学校校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Kiyoshi Utsugi

29
ノーベル物理学賞受賞者のスティーブン・ワインバーグが1980年と1981年に大学で行った講義の内容をまとめて1982年に本として米国で出版したものの日本語訳の新版です。 物理学を最初から学ぶというものではなく、20世紀の物理学に絞って、電子、陽子、中性子の発見を扱っています。 ところどころ難しいところもあるけど、初心者にもなるだけ分かるように書かれているのがありがたい。 去年88歳で亡くなられているので、できることなら年内に読み終えたかったのですが、少しはみ出てしまいました。😅2022/01/05

有沢翔治@文芸同人誌配布中

12
ノーベル物理学賞受賞者による科学史の本。ただし、現代的な目線でのみ物事が語られている。発見当時の価値観を考慮に入れなければ、マッハはただの過去の遺物としてしか扱われない。ちなみにマッハがボルツマンに反対した理由は、観測できないもの以外はどんなに理屈をこねたところで、科学的根拠として認めないという極めて「妥当」な考えがあった。ワインバーグはどうして行き違ったのかが書いていなかった。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51477041.html2016/08/31

ジュン

7
時には理系の名著を。前世紀に急速な進歩をとげた物理学への優れた入門書。電子、原子核、陽子、中性子という小さな世界の偉大な物語。研究が蓄積され、理論と実験により真実がつきとめられていくドラマをあますことなく伝えている。高校の物理はいわゆる古典物理学ばかりで、本書のような20世紀物理学まで届かないゆえに少しもったいない。2019/06/18

U-tan

4
物理学者による戯画化された科学史.電子・原子・原子核などの実験的な発見がいきいきと. セグレの本もイタリア語か,邦訳か英語で読みたい.2015/11/21

MAT-TUN

4
なんというすばらしい本だ。ワインバーグ先生の場の量子論の本でずいぶんうなされた理論系物理の友人が多かったので、恐れをなしていましたが、このようなすばらしい入門書は是非広く一般に読まれることを望みます。2012/04/29

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