ちくま学芸文庫
江戸巷談 藤岡屋ばなし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 426p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087751
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0195

内容説明

時は幕末、外神田のお成道に、筵いっぱいに古本を並べて商う一人の老爺があった。この男、“御記録本屋”藤岡屋由蔵、日がな一日、素麺箱を机に黄半紙に禿筆でなにごとかを書き付け、吹きつける砂塵のなかで悠然として筆を休めることがない。―この集積が『藤岡屋日記』である。小説をはじめさまざまな著作の種本ともなった珍談・奇談の宝庫であり、世相・風俗・政治情報の貴重な記録だが、あまりに浩澣すぎて、また雑多すぎて、敷居が高い。そこで一般の読者のために、おもしろい話を選んで編んだのが本書。世相の鏡、小説より奇な『藤岡屋日記』の世界へようこそ。

目次

稲荷信仰興廃の事
太郎稲荷の事
狂言神楽の事
律儀者、泥棒となる事
め組の喧嘩評判の事
鬼坊主清吉の事
女天一坊一件
永代橋崩壊の落書
火元争い
けし坊主、母親となる事〔ほか〕

著者等紹介

鈴木棠三[スズキトウゾウ]
1911年、静岡県に生まれる。国学院大学国文科および研究科修了。国文学・民俗学・口承文芸専攻。元・白梅学園短期大学教授。1992年没
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感想・レビュー

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真理そら

43
「見届け人秋月伊織事件帖」シリーズ(藤原緋沙子)を読み返した流れで読んでみた。古本屋の藤岡屋由蔵は店の前に筵を敷いて素麺箱を机にして様々な情報を書き綴っていた。その記録の藤岡屋日記は膨大な量があるらしいがこの作品はその一部。どちらかというと資料集のような内容だが読んだことのある時代小説の内容をあれこれと思い浮かべて興味深く読めた。2019/09/17

seychi

1
江戸末期に市井の出来事や噂話、怪異な話をつらつらと書き連ねそれを各藩江戸詰の武士に売ったりした、言うなれば情報屋の走りとなった藤岡屋由蔵の記録。この手の本なら「耳袋」の方が有名であるけど、あっちは比較的不思議なことを古老などに聞いて記した、いわば江戸七不思議的なものを集めたのに対しこっちは比較的事実を集めた今でいうニュースや週刊誌的なものかと。面白みでは耳袋の方があるかと思うけど、こちらは事実としての記録を研究する素材としては価値が高いかと。でもまあ「石塔磨き」のように謎の話もあって読み疲れはしませんね。2016/12/11

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