内容説明
「銀座と云ふ所は、いろんな男や女に逢ふには、誂へ向に出来て居る町である」―1920年代半ば、震災からの復興著しい銀座。モダン都市・東京のショーウィンドゥとして人々を惹きつけてやまないこの街の、表の魅力、裏の顔、集う男女の哀歓を、探訪記者・松崎天民が、共感を込めて叙情的につづる。作家や文化人、流し芸人、カフェーの女給たちの人生の断面から一つの時代が浮かび上がる、出色の銀座探訪記。中央新聞連載の「銀座」75章に、「銀座の女」10章と、当時の銀座通りの店舗案内「銀ぶらガイド」併載。
目次
銀座(洋服の対話(カフエー銀ブラ)
金座と銀座(三百年の昔から)
銀座の人々(山東京伝の以後)
煉瓦地古調(江戸から東京へ) ほか)
銀座の女(邂逅の夕;女人哀史;第二の性;病める町 ほか)
銀ぶらガイド
著者等紹介
松崎天民[マツザキテンミン]
1878(明治11)年、岡山県生まれ。本名は市郎。明治・大正期の新聞記者、文筆家。19歳で上京、国民新聞社に入社。その後、朝日、毎夕、都、中央等各新聞の記者として活躍。1928年以来、雑誌「食道楽」を主宰。1934(昭和9)年死去
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感想・レビュー
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rbyawa
2
j023、昭和初期くらいからのモダニズムと結び付けられていて納得、現代人が見るとさほど特異なスタイルではないが要するにこれが書かれた時代にはないんだよなぁ…(この人が最初かは知らんけどこの時代からではあるね、羅列で物事を積み重ねる描写)。銀座は大正12年の関東大震災でにわかに中心地となり、高級なばかりでなく一般化もしたのだけれども、その変化を成長と見る古株がいるならそうは不健全な方向にも行かないかな。やっぱりカフェの女給がよく話題になるかな、ライオンよりタイガーのほうが女に家庭の雰囲気がなくていいんだと。2019/03/04
いなお
0
後半に掲載されている銀座にある店の広告が、資生堂や不二家、鳩居堂などいまもあるのもあればもう無いであろう店のもあって面白かった2012/12/24
いちはじめ
0
(9/16〜21の間に読んだが正確な読了日不明)昭和2年に刊行された、震災復興後の銀座を活写した名著。2002/09/17