内容説明
いにしえの王たちとともに、うずもれた歴史が眠る王家の谷。イギリス貴族カーナーヴォンと、エジプト考古学者カーターは、1914年、この谷の発掘許可を得た。そして苦闘の末22年に王墓を発見、カーターは25年にとうとうツタンカーメン王その人のミイラと対面する。黄金のマスクなどの数多の秘宝と「呪い」の伝説に彩られた発掘の報は世界に衝撃を与え、エジプト考古学は新しい時代の幕を開けた。本書は、カーター自らがこの世紀の発見のすべてを綴った全記録である。上巻には第1部・王墓発見と、第2部・黄金の棺にたどり着くまでの記録を収める。「カーナーヴォン伯爵伝」を初収録。
目次
第1部 王墓発見(故ロード・カーナーヴォンの伝記的な素描;王と王妃;王家の谷と墓;近代における王家の谷;テーベにおける予備作業;墓を発見する;予備調査;前室を調査する;前室を清掃する;参観者と新聞;調査室における作業;封印扉を開く)
第2部 幕を開く(はじめに―エジプト芸術についての所見;遺物にあらわれたツタンカーメンの生活;玄室の配置と副葬品)
著者等紹介
カーター,ハワード[Carter,Howard]
1873年イングランド生まれ。パーシー・ニューベリの助手としてエジプト調査旅行に同行、のちフリンダース・ピートリの助手としてテルエルアマルナの発掘に当たる。カイロ博物館員などを経て、14年よりカーナーヴォン伯爵と王家の谷を発掘、ツタンカーメン王墓発見にいたる。学術報告書の完成を待たず32年に没
熊田亨[クマタトオル]
1924年東京生まれ。パリに在住し、国際関係を研究
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