ちくま学芸文庫<br> ことばのエコロジー

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ちくま学芸文庫
ことばのエコロジー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480085245
  • NDC分類 804
  • Cコード C0180

内容説明

小さな言語が、大きな言語によって絶滅に追いやられるとき、民族は確実に崩壊する。そしてそれは自然破壊の一部でもあった。「いわゆる民族問題とは、私にとっては時事問題ではなく、人間の存在様式、その本質にかかわるものであって、そのかぎりでは永遠の、哲学的な問題である。」一貫して、言語と国家、言語と権力、言語による差別問題を問い続けている著者が、時には舌鋒鋭く、またある時はユーモアを交え、人間にとっても言語にとっても不可欠なエコロジーの観点から「ことば」をとらえなおしてみるという新鮮な試み。

目次

アイヌに誇りをもつのが真の「先進国」
カナダのウクライナ人
セーシェル島とクレオール語
ピジン、クレオールが語る言語の本質
ラフカディオ・ハーンとクレオール語研究
ラフカディオ・ハーンとエリゼ・ルクリュ
成田の自然
午前六時のタンゴ
秘境の公害
モンゴルのカザフ人〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はと

3
再読。大学生の時に誰かに勧められて買った本だったような記憶。1983年から1993年にかけて書かれた作者の文章を集めたものらしい。言語に対する考えや感覚などは今読んでも新鮮に感じる部分が多くあり、さすが言語学者だと感じる。一方で、政治に関する内容は、テーマ自体にあまり興味を抱けないものが多かったのは、やはりタイムリーさがなくなったことが大きな原因かと思う。中にはかなり時代を感じさせる文章もあった。同じ問題について論じるとしても、今の論じ方と当時の論じ方はやっぱり違うのだ。2013/04/17

Joao do Couto

2
前半はかなり軽いエッセイ的な書き方で、後半はソ連における政治と思想、そして言語の関係に焦点があてられ、本格的な論がたてられています。著者の博学ぶりと硬軟織り交ぜた文体に脱帽。著者にたいする印象が変わりました。2013/02/28

ツナ子

1
思ったより学問的で難しかったです。一般人からするとなかなか過激にも思えるけど、言語の本質は音であり、書き言葉はより複雑な知識を必要としないものが望ましいっていうのには共感できるわ。日本人は確かに識字率ほぼ100%だけど、ある程度のレベルの文章を日常的に読んだり書いたりするのって一部の人に限られてて、それ以外の人たちは漫画かネットくらいでしか文字を読みませんといった具合で、こんな差異があっていいものかといつも思ってるわ。あとはもう80近くなのにばりばり本書きまくてて元気なじいさん先生で羨ましいです。2013/07/07

jdrtn640

0
岩波新書の『ノモンハン戦争』が面白かったので、図書館にて貸出。言語学史や言語思想を簡単に噛み砕いた所より、民族問題とのからみの記述に興味が沸いた。筆者は民族との関係において、民族語およびその話し手を全般的に肯定しているようだが(やや情緒的ながら)、その一方で世界文学との関係を論じている「大きな言語・小さな言語」では、政治的に話し手の少ない母語により創作をする作家には冷徹なのは意外に思え、逆に印象に残った。親本の副題は、言語、民族、「国際化」。2010/08/23

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