内容説明
近代日本の宿命、西欧との交わりのなかで、その思想・文化の単なる知的理解ではなく、自己の内面から西欧を血肉化し、それに対応した日本認識を自らの命題とし、日々の生活を通して西欧という現実に食い入りながら思想経験にまで高めた森有正。この前人未踏の、きびしく逞しい、豊かな展望を内に含んだ精神的営為の真髄を全5巻に集大成。第4巻は、著者独自の「経験」という思想の新たな展開が示される文明批評『旅の空の下で』に、熱き共感「リールケとレゾナンス」、傷ついた魂の慰安「アリアンヌへの手紙」と、1968年から69年までの日記を収録。
目次
旅の空の下で(変貌;旅の空の下で;一九六八年の夏の反省;早春のパリから初秋の東京まで;「ことば」について;文化の根というものについて ほか)
リールケのレゾナンス
アリアンヌへの手紙
日記―1968年1月3日~1969年9月20日