内容説明
人間が生きるということは、身の回りの空間や環境に自分なりの様々な意味を与えることと同値である。自らの直接経験による意味づけによって分節した空間が、すなわち「場所」である。場所は、大量生産と商業主義が深化した現代においては、多様だったはずの意味や環境適合性を欠落させ、お仕着せのものとなり、「偽物の場所」のはびこる「没場所性」に支配される。本書は、ディズニー化、博物館化、未来化などの現代の没場所性の特徴を暴き出し、キルケゴールやカミュやリフトンらの文学や哲学の成果も動員しつつ、場所に対する人間の姿勢と経験のあり方を問う、現象学的地理学の果敢な挑戦である。
目次
第1章 場所および地理学の現象学的基礎
第2章 空間と場所
第3章 場所の本質
第4章 場所のアイデンティティ
第5章 場所のセンスと本物の場所づくり
第6章 没場所性
第7章 現代の景観経験
第8章 場所のゆくえ



