ちくま新書<br> 国立大学教授のお仕事 - とある部局長のホンネ

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国立大学教授のお仕事 - とある部局長のホンネ

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480076793
  • NDC分類 377.13
  • Cコード C0237

出版社内容情報

採用、出世、お金、働き方、人間関係、進まないDX化……

ぜんぶ見せます!



時は1993年。若き政治学者・木村幹(27歳)は、愛媛大学法文学部に助手として採用された。「雇用の安定した国立大学に就職し、研究に集中したい」という夢が早々に叶い、これで韓国の政治文化研究に打ち込めると思いきや、国立大学の置かれた状況は刻一刻と悪化していく。

神戸大学に移るも、2004年の独立行政法人化により研究費も人員も削減され、予算獲得のための仕事が日々の研究を圧迫する。昇進しても、小さいパイの取り合いで疲弊するばかりだ。

還暦間近のとある部局長が見つめた、おかしくも哀しい国立大学の30年。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

16
韓国政治研究で知られる著者が大学教授の業務を紹介。一般に大学教授の仕事としてイメージされている教育・研究以外にも、学内行政、学会関連の業務、教職員あるいは研究者としての営業活動、研究者の卵としての院生やポスドクの指導、外部資金の獲得、留学生の招致等々多様な仕事ぶりが見えてくる。著者も断っているように大学教授といっても国公立か私立か、あるいは大学の規模、大学での役職によってその業務は様々だが、それをふまえた目配りもできていると思う。2025/04/14

あっくん

12
純粋に大学教授がどのように日々業務をこなしているのか興味を持ち読んでみた。 国立大学の独立行政法人化によって大学の運営が様変わりしたこと、研究費に困窮していること、大学教員のポストが狭まっていることなどを読み取った。 若かりし頃、研究者を目指したがあまりの閉鎖性に辟易してドロップアウトした身としては、己の選択は吉だったのかも、と思う。研究だけで生きていける世界に憧れたが、現実には研究以外の業務に忙殺されている。これはどんな仕事にも当てはまる。専門性で生きるためにはそれを支える多量の雑務も必要だ。 2025/04/28

てくてく

6
専門の韓国政治の他、球団(オリックス)愛やマウンテンバイクの趣味などで有名な神戸大教授が大学教授の多様な業務や独立行政法人後じわじわと首を絞められているような現場の状況を語った一冊。研究に集中することができた時代を経験しているし、その分野の第一人者で研究者としてはトップ層に分類される人だからか、それで踏ん張れる体力に圧倒された。女性研究者・教員の言及部分は、女性は今なお大学業界ではマイノリティで見えない存在なのかなと思ったりした。2025/04/22

Shun'ichiro AKIKUSA

5
筆者の説く「国立大学」には厳然たるヒエラルキーがあり、予算面や資金力で東大や京大が突出しており、場合によっては東大や京大の教員が組織する大規模プロジェクトに頭を下げて入れてもらわなければならないのだという。そうなのかもしれないが、かなり身も蓋もない話ではある。2025/04/22

PETE

5
『監査文化の人類学』の時代から20年経った今、著者が語るえげつない業務量にめまいがする。これをこなそうとすると、壮絶な体力が必要になるのだろう。また、研究ネットワークはもちろん、外部社会とのネットワークを保つことの大切さをこんこんと説き、それを「営業」と呼ぶのが面白かった。「研究者と趣味」のコラムで「研究者は研究のように趣味に打ち込む」とあったが、ロードバイクは体力キープ、オリックス研究は文春野球を通じた営業と化していて、趣味すら研究に戦略的に一体化しているところに凄味を感じた。2025/04/13

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