出版社内容情報
「我的精神快要崩潰了(私の精神はもう限界です)」。既存の中国語教科書では教えてくれない、心と社会の闇をあらわす45の言葉から、現代中国を理解する。
内容説明
ネガティブな言葉でなければ、伝わらないことがある。心と社会の闇を表現する45の言葉から読み解く、かつてない現代中国文化論。
目次
第1章 心の闇(悲しみ;疎外感とさびしさ;もがく;絶望する)
第2章 社会の闇(危険とリスク;失敗と諦め;翻弄され、傷つく;無為と抵抗)
終章 闇に終わり、闇から始まる
著者等紹介
楊駿驍[ヨウシュンギョウ]
1990年、中国生まれ。日本育ちの満州族。早稲田大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、早稲田大学文学部講師(任期付)を経て、現在、二松学舎大学文学部専任講師。専門は現代中国文学とサブカルチャー。中国語、コミュニケーション学、ゲーム文化論の授業も担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
14
「闇」というよりはネガティブ中国語入門といった趣。本書で取り上げられている単語には「内卷」「躺平」など近年の流行語もあるが、実の所現地の大学で使われている留学生用の語学の教科書に普通に出てくるものもある。単語や例文そのものよりは著者によるその社会的背景の解説が読みどころ。流行歌の歌詞や中国版Yahoo!知恵袋の「知乎」からの引用が面白い。2024/06/11
kana
11
教科書ではポジティブな話が好んで選ばれるけれど、実際の人間関係や社会には必ず影の部分がある。そういった闇の面から人々が理解し合ったり繋がったりすることもあるのではないか?という疑問から生まれた本です。中国語学習のために読みましたが、「この言葉はこういう状況のこんな感情に対して使われる」の言語化がとても鮮明で、もやっとしていた痛みの輪郭を手で撫でられているようでした。2024/07/10
電羊齋
10
中国の体制、そして市場経済は中国人に常にポジティブに努力し、競争し、向上するよう求める。だが、それに疲れ果て、メンタルや心の問題で悩み苦しみ、閉塞感と諦めを感じている中国の若者も多い。そうした中国の若者たちの心の闇と社会の闇を表すネガティブな言葉がいろいろ紹介されている。ネガティブな言葉から中国社会と中国の若者の心のありようを考察するユニークな中国論であり、中国語テキスト。実は自分もネガティブなことばかり考えてしまう人間なので、共感できる言葉が多かった。「そう、そうなんだよ!」と膝を打つ箇所が多かった。2024/06/22
キャベツ
5
印象に残ったところ…「文芸的」「小確幸」非常に繊細な形で日常生活における様々な感情や美的なものの中に、救いを求める。人生には山あり谷谷谷…あり、人生には谷しかない。/日本と中国、似ている部分、全く異なる部分がある。高いプレッシャーの競争社会のなかで、小さな幸せを大切にするムーブが流行するところは似ている。2025/04/27
りえぞう
4
◎。これはやっぱり中国語を学ぶものとして、資料として買うべきだな。図書館じゃなく。2025/07/01