出版社内容情報
コロナ禍のアメリカは、世界で最悪の死者が出た。20世紀初頭以来の公衆衛生史を繙きつつ、収入・居住地域・人種などで分断されているアメリカの問題を探る。
内容説明
コロナ禍のアメリカでは、迅速な疫学調査とワクチン開発がなされたにもかかわらず、多くの死者が出た。ワクチン接種に当初から反対が根強く、マスク着用では国が分断された。アメリカの公衆衛生が抱える深刻なジレンマ―国民の健康と自由な活動という背反する価値のどちらを優先するかをめぐって、どんな論争があったのか。20世紀初頭以来の公衆衛生史を繙きつつ、社会格差・地域格差・人種格差などによって分断されているアメリカの諸問題を追究する。
目次
第1章 そもそも公衆衛生とは何か(公衆衛生の三要素;数を数えることの諸問題 ほか)
第2章 「自由の国」アメリカ―個人の選択と公衆衛生管理の相克(アメリカの自由のイデオロギー;公衆衛生政策に対抗する自由の「論理」 ほか)
第3章 ワクチンと治療薬―科学と自然と選択肢(疫学転換とワクチン;天然痘ワクチンと一九世紀アメリカ社会 ほか)
第4章 病の社会格差―貧困層を直撃する社会制度(国の豊かさと健康;社会経済的地位と健康 ほか)
第5章 社会の分断―「マスク着用」が象徴するもの(「スペイン風邪」とマスク;COVID‐19下のマスク要請 ほか)
著者等紹介
平体由美[ヒラタイユミ]
1966年生まれ。東洋英和女学院大学国際社会学部教授。専門はアメリカ史・公衆衛生史。国際基督教大学大学院行政学研究科博士課程修了。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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