出版社内容情報
和田 春樹[ワダ ハルキ]
著・文・その他
内容説明
二〇〇〇年に日朝国交促進国民協会が発足し、二〇〇二年には小泉首相が訪朝。金正日委員長と会談し、日朝平壌宣言を発表した。国交樹立は目前に迫ったと思われた。しかしその後数年のうちに交渉は決裂、いまや日朝関係は完全な断絶状態に陥っている。歴代の首相や外交官が試みた交渉はなぜ頓挫したのか。両国が再び歩み寄る手がかりはあるか。国交交渉が始まった一九九一年にさかのぼり、膨大な資料と交渉の鍵を握った当事者たちの貴重な証言から、失敗の背景を徹底検証する。
目次
序章 日本にとっての日朝国交正常化
第1章 日朝国交交渉の開始と決裂 一九九〇~一九九二
第2章 日朝交渉再開の努力と反対勢力 一九九三~一九九七
第3章 日朝国交交渉第二ラウンドへ 一九九七~二〇〇一
第4章 日朝首脳会談と日朝平壌宣言 二〇〇二
第5章 二〇〇四年小泉再訪朝 二〇〇三~二〇〇五
第6章 安倍首相北朝鮮政策の宣布と始動 二〇〇五~二〇〇七
第7章 安倍路線の国策化 二〇〇七~二〇一二
第8章 安倍第二次政権の誕生 二〇一二~二〇一五
終章 米朝対立の深刻化とその後 二〇一六~二〇二二
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
東京大学名誉教授。1938年生まれ。東京大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Masakazu Fujino
13
なぜ日本は朝鮮と国交正常化ができないのか?世界中で、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と国交を結んでいない、圧倒的少数の国である日本。国交のある国164、国交のない国36。EU加盟国を見ても、国交のない国はエストニアとフランスだけ。アジアで国交のないのは、イスラエル・イラク・韓国・サウジアラビア・台湾・ブータン・日本のみ。アフリカはボツワナを除く全ての国が国交あり。自国内に朝鮮の大使館がない国は東アジア・東南アジアでは、日韓台とフィリピン・ブルネイのみ。イギリス・ドイツ・スウェーデンは朝鮮と相互に大使館を設置2022/10/17
ぺんぎん
2
すんごく寄ってます。分かってて読み始めましたが、なかなかに著者の感情が溢れててちょっと熱いです。日朝交渉を推進すべき姿勢を堅持している著者なので、これに反する人たちは国賊のような描かれ方をしています。すこーし考えさせられたのは、救う会の活動が両刃の剣になっている点。政府としても火を付けてしまったので、今更(近い将来含め)北朝鮮と妥協して国交正常化交渉をするオプションを自ら選択できなくしたように思える。六者協議が出来た時代は北だけを相手に出来たけど、今や中露相手に面倒なことになっているので、どうしましょう?2022/11/22
Gamemaker_K
2
なんだろう、既知のことが多かったので割と短時間で読めたのだが、大事なことがボコッと抜けてますよねこの本。2022/09/22