出版社内容情報
広く知られる古典から「読まれざる名著」まで、メディア研究の第一人者ならではの視点で解説。進展著しいメディアの世界を深く学びたい読者にとり最良の入門書!
内容説明
「歴史学」は現在から過去を解明しようとするのに対し、「メディア論」は現在から未来を展望しようとする―。メディア史研究の第一人者である著者が、社会心理から政治学まで、文明論的な視座をもつメディア論の「名著」三〇冊を精選。「大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究」「情報統制とシンボル操作」「情報社会とデジタル文化」など六章にわたって解説を加えてゆく。ウェブ時代にあってメディア論を深く知りたい人にとり最良のブックガイドである。
目次
1 大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究
2 大衆社会と教養主義
3 情報統制とシンボル操作
4 メディア・イベントと記憶/忘却
5 公共空間と輿論/世論
6 情報社会とデジタル文化
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生まれ。89年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授等を経て、京都大学大学院教育学研究科教授。著書に『「キング」の時代』(岩波現代文庫、サントリー学芸賞)、『言論統制』(中公新書、吉田茂賞)、『ファシスト的公共性』(岩波書店、毎日出版文化賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古戸圭一朗
4
ただの名著の要約と思って読んだとしたら、いい意味で裏切られるだろう。佐藤卓己氏が、それぞれの名著とどのように出会い、自らの血肉にしていったのか。その過程とともに、驚くべき密度の高さで各書のコアが示される。最後に「書物について語ること」について、バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』を取り上げているのも、締めとして面白い。2021/07/01
politics
4
メディア史研究者である著者の手によるメディア論の名著解説。取り上げられているテクストについて著者自身の見解も多く含まれており、佐藤メディア史学を知る上でも有益だろう。取り上げられているものもマクルーハン、ハーバーマスといった有名なものから、あまり知られていないものまで満遍なく取り上げられている。2020/12/18
クレストン
2
メディア史などが専門の方によるメディア論に関する本を紹介してゆく新書。私もそうだが、メディア論という学問領域自体がよく分かられていないと思われる。そういう意味ではまず1冊としても読んで良いかもしれない。史学や社会学などが中心にある学際的学問だと自分は解釈した。他の方も書かれている通り、本のいくつかには著者の回想が入っている。これにより単にレビューではなく、読み物としての側面を持っていると感じた。2022/04/04
ぽん教授(非実在系)
2
名著解説をしながら、著者本人の主観的な部分や自伝的な部分も結構描いているという点で非常に興味深い。ハーバーマスやベンヤミンなどの左翼的硬直性や、キットラーやマクルーハンなどの非実証性的文章には素直に嫌悪感を示すなど、なかなかに挑発的な箇所も多いため、そこに著者の人間性を垣間見ることができる。2020/12/03
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