出版社内容情報
近代日本が崩壊へと向かう過程において、憲法体制は本当に無力であるほかなかったのか。明治国家の建設から総力戦の時代まで、この国のありようの根本をよみとく。
内容説明
一八八九年に公布され、敗戦後にいたるまで国家の基本法としてこの国のかたちを規定した大日本帝国憲法(明治憲法)。民意の支えにより政党が力を獲得することを警戒した藩閥勢力の手になるこの憲法は、天皇大権が強く、議会権限の弱いものであった。そうした法の特質が、無謀な戦争の回避を困難にしたとして批判される。だが他方、この明治憲法体制のもとで、戦後憲法の時代にも劣らぬデモクラシーの実践がさまざまに花開いたことも事実だ。私たちはいま、明治憲法の時代をどう再評価すべきか。近代日本の歩みを根本からよみなおす。
目次
第1章 長い助走期間
第2章 明治憲法体制の出発―初期議会と政党内閣
第3章 二大政党時代―国体論争の再浮上
第4章 挙国一致内閣―憲法の機能不全
第5章 民意と陸軍の攻防
第6章 戦後民主主義の基盤
終章 憲法と政治
著者等紹介
坂野潤治[バンノジュンジ]
1937年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授をへて、現在は東京大学名誉教授。専攻は日本近代政治史。著書に『日本憲政史』(東京大学出版会、角川源義賞受賞)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫、吉野作造賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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