出版社内容情報
北海道で縄文の習俗を守り通したアイヌ。その文化から日本列島人の原郷の思想を明らかにし、日本人にとって、ありえたかもしれないもう一つの歴史を再構成する。
内容説明
アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと、その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
目次
第1章 アイヌの原郷―縄文時代(アイヌと縄文文化;アイヌと縄文人;アイヌと縄文語)
第2章 流動化する世界―続縄文時代(弥生・古墳時代)(弥生文化の北上と揺れ動く社会;古墳社会との交流;オホーツク人の侵入と王権の介入)
第3章 商品化する世界―擦文時代(奈良・平安時代)(本州からの移民;交易民としての成長;同化されるオホーツク人)
第4章 グローバル化する世界―ニブタニ時代(鎌倉時代以降)(多様化するアイヌの世界;チャシをめぐる日本と大陸;ミイラと儒教)
第5章 アイヌの縄文思想(なぜ中立地帯なのか?;なぜ聖域で獣を解体するのか)
著者等紹介
瀬川拓郎[セガワタクロウ]
1958年生まれ。岡山大学卒業。博士(文学/総合研究大学院大学)。現在、旭川市博物館館長。専門は考古学・アイヌ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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