ちくま新書<br> 吉田松陰―「日本」を発見した思想家

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ちくま新書
吉田松陰―「日本」を発見した思想家

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  • サイズ 新書判/ページ数 244,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480068071
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0223

出版社内容情報

2015年大河ドラマに登場する吉田松陰。維新の精神的支柱でありながら、これまであまり紹介されなかったその思想家としての側面に初めて迫る画期的入門書。

内容説明

幕末の尊王攘夷運動を主唱し、維新に大きな影響を与えた吉田松陰。失敗を繰り返し、太く短く終えたその生涯で、いかなる思想を抱いていたのか。膨大な書簡や意見書、著書を丹念に読み解くことで浮かび上がってきたのは、決して偏狭な原理主義者などではなく、海外の情勢に通じ、開かれた国際秩序像を持つ一個の思想家の姿だった。度重なる挫折にめげず、いかに「日本」を発見し、世界における我が国の自己像を獲得するに至ったか。その歩みを追い、「蹉跌の人」の実像に迫る。

目次

第1章 若き兵学師範
第2章 「西洋」という他者
第3章 「日本」の発見
第4章 ペリーの「白旗事件」
第5章 「国際社会」のなかの「帝国日本」
第6章 「日本」という自己像の模索

著者等紹介

桐原健真[キリハラケンシン]
1975年生まれ。日本思想史。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。東北大学助手などを経て、金城学院大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

那由田 忠

12
29年の人生しか生きられなかったこの天才は、きわめて貪欲に情報を収集し実地に見ようとし、常に強い志をもって行動した。政治家が松陰に憧れる理由は理解することができた。この本は、「幽囚録」に示された膨張主義的考えでのみ松陰を理解する人が多く、その誤りを正そうとした。伝統的な兵学師範から出発して西欧列強の実力を実際に知り、日本の真の独立を実現しようと尊皇の道を突き進んだが、彼は単なる日本主義者ではなかった。日本の固有性を追求しながら、「五大洲周公共の道」という普遍性を見据えることのできる思想家であった。2015/04/08

えぬ氏もわるよのぉ

7
吉田松陰の伝記かと思ったら、彼の思想の分析だった。難しくて理解出来たとは言い難いが、彼の一見過激にも見える言動の理由が、なんとなく理解出来た気もする。2023/12/26

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

6
吉田松陰関係ではこの本が初めて。読んでよかった。著者の博士論文を下に一般向けに書かれた本なので内容が濃いのも当然。類書と比較して新しいところとかがどのくらいあるのか残念ながら不明だけど、これを機会に今後中公新書の吉田松陰など類書にも追々進んでゆきたい。2015/02/17

yyrn

6
松陰とて、初めから「皇国(日本)」という考えに至ったわけではなく、また彼のいう「尊王攘夷」の意味合いも、外国を知ることで変わっていったことを、今に残る手紙や書き物から時系列的に解説してくれる。読み易く分かり易い本だ。父や叔父からのスパルタ教育により、幼くして長州藩に代々伝わる山鹿流の兵学を修めていた松陰にとって守るべきは「藩」に過ぎなかったが、留学先の平戸で圧倒的な重装備の外国船を間近に見て、またアヘン戦争に敗れた清国が欧米列強の植民地となって虐げられているという国際情勢に触れ「日本」を強く意識していく。2015/03/10

くものすけ

3
吉田松陰はわずか29才で江戸小伝馬町で露と消えた。引用されている文書が難解で辟易した。2018/02/01

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