ちくま新書
チャイニーズ・ドリーム―大衆資本主義が世界を変える

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067166
  • NDC分類 332.22
  • Cコード C0233

出版社内容情報

日本企業はなぜ中国企業に苦戦するのか。その秘密は、カネも技術もなくても起業に挑戦する普通の庶民のハングリー精神と、彼らが生み出すイノベーションにある!

内容説明

中国経済に活力をもたらしているのは政府と国有企業だろうか。そうではない。起業に挑戦する無数の大衆が中国を突き動かしている。どんなにお金がなくても、仲間とカネ・技術を持ち寄って、いとも簡単に起業してみせる中国人民。破産してもへこたれず、ひたすらチャイニーズ・ドリームを胸に、先進国企業には思いもよらないソリューションを創り出す。彼らに私たちは何を学べるのか。連携は可能か。中国経済の機動力とイノベーションの源泉に迫る。

目次

第1章 草の根資本家のゆりかご・温州(大衆資本主義の源流;文化大革命期に誕生した大衆資本主義 ほか)
第2章 ゲリラたちの作る携帯電話(「ゲリラ携帯電話産業」とは何か;世界に例を見ないゲリラ携帯電話産業 ほか)
第3章 太陽電池産業で中国が日本を追い抜いたわけ(太陽電池の歩み;突然の日中逆転 ほか)
第4章 大衆資本主義がもたらす創造と破壊(大衆資本主義のインパクト;自転車大国だった中国 ほか)
第5章 中国経済と大衆資本主義(中国の経済体制をどう表現するか;国家資本主義論の問題点 ほか)

著者等紹介

丸川知雄[マルカワトモオ]
1964年東京都生まれ。87年、東京大学経済学部卒業。同年アジア経済研究所入所。2001年4月より東京大学社会科学研究所助教授、07年4月より同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ちくわん

10
2013年5月の本。中国の経済成長は国家ではなく、失敗を恐れない、いや失敗と思わない貪欲な個人(草の根資本家)による大衆資本であることを検証。ちょっと古く感じたが、これからも彼の国を観察していかなければいけない。事業(金儲け)は、ある意味ギャンブルだから失敗は付き物。借金なしでの失敗は、失敗ではない。って感じなのか。そう考えると日本は過度な「貯蓄志向」。2019/09/21

Hatann

5
中国の資本主義は「国家資本主義」とも称されるが、多くを保有しない人々が起業して資本家を目指すプロセスが同時かつ大量に起きたことも中国の経済成長を支えてきた。温州商人の伝統から始まり、ゲリラ携帯電話、太陽電池、電動自転車などの業界における大衆起業家のバイタリティを通じて中国の「大衆資本主義」が紹介される。垂直分裂や華僑社会を通じて自在に適応していく様子に資本取引利潤を動機としない商工業の原点を見る。過度な創造性でなく、模倣と競争を通じて産業内に蓄積しているレントを解放して分配することも好ましいのではないか。2018/12/22

セイタ

4
中国のダイナミズムを理解できる本!大衆資本家という知識も資本も持たない人の創業が中国のダイナミズムを形成していることをいくつかの産業に絞って、実地経験をもとに記載されている。中国は国家主導の経済というイメージを持っている人には、かなり衝撃的だろう。特に携帯産業での「垂直分裂」な産業構造とそれを成り立たせるための違法行為や中国人のメンタリティが非常に面白い。また、違法行為でも法律が現実に即して改正されるというのも中国らしくて良きである。華強北に行きたくなった。2021/04/03

壱萬参仟縁

4
新刊棚より。大衆資本主義とは、事業成功して資本家になる夢を持つ中国人が大勢存在し、経済成長させる大きな原動力となるもの(010頁)。この間、里山資本主義の本を読んだ。前者は、高度経済成長とかバブル期日本の右肩上がりを期待する社会のダイナミズムを言うのだろう。華強北とは、秋葉原のような街のようである(069頁)。深圳という中国の秋葉原なのだ。そして、再定義されると、金融資産や人的資本を国民に比べて際立って多く所有しているとは言い難い人が、起業して資本家を目指すプロセスが同時・大量に起きる現象(222頁)と。2013/08/14

Takahashi Hiroki

0
中国の「大衆資本主義」。一般市民から次々と生まれる企業家が現代中国の大きな原動力となっている。模倣品の製造、長期計画の無い経営等、気になる点を挙げればキリがありませんが、中国政府、また他国がともに利益を得ていくためには無視できない存在です。 2015/02/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6780489
  • ご注意事項

最近チェックした商品