ちくま新書
ハゲに悩む―劣等感の社会史

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067128
  • NDC分類 383.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

寒いのは、頭か心か世間の目か。個人的な身体への違和感、劣等感が社会化される過程を歴史に探り、理性では制御しきれない情動の一端を、男の毛根から解明する。

内容説明

笑顔の写真や体験談。フサフサになる、シャワーも強風もヘッチャラ、パッと振りかけるだけで倍に見えるなど、心動かされる宣伝コピー。薄毛対策の商品・産業が活況を呈している。医学の発展により男の頭皮は病院治療の対象にもなった。だが元来、ハゲは聡明さや頼りがいの象徴であり、改善すべきものという社会的認識はなかった。このコンプレックスはどこから生じたか。脱毛への不安と恐怖が生み出される背景は何か。身体への違和感、個人的な劣等感が社会化される過程を男たちの毛根から探り、理性では制御しきれない情動の一端を明らかにする。

目次

第1章 身体、この悩ましきもの―チビか、デブか、ハゲか
第2章 薄毛問題の系譜―文明開化と高度成長の終焉
第3章 叩けば生える!―踊る民間療法
第4章 髪は長い友だち―カツラとファッション
第5章 お医者さんに相談だ―治療対象になった頭髪
あとがき 幻想の男らしさとオヤジの復権―光頭会に集う人々

著者等紹介

森正人[モリマサト]
1975年香川県生まれ。三重大学大学院人文学部准教授。関西学院大学文学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

13
目についたので。社会学的アプローチ。退屈だった。2014/10/28

AU.Step

10
養毛剤、育毛剤、カツラのCMは絶えることなく、またしばしば社会的現象にもなるなど、古今東西を問わず悩みのタネにも関わらず、当事者以外には切実な問題でない為に嘲笑や自虐の対象となってしまう身体的特徴「ハゲ」。その悩みを社会的背景を元に解き明かそうとしている。個人的には「ハゲ」を隠すにせよ増やすにせよ、そこに時間とお金を費やすのはムダだ、と若い頃から思ってた(家系から将来は確実にキテしまうと認識していた)ので、兆候が見えてきた35歳の時に完全に坊主頭にした…(^_^;)2019/09/08

Sakana

3
劣等感や不安はとりわけ消費社会の中でどのように形成されるのか。本書は、このテーマを「ハゲ」という一つの身体現象について着目しながら考察したものである。本書において重要な点は、消費社会の特徴でもある次の二点。それは、①商品が需要を作り出すという側面、そして②身体や外見の改善(規格化された身体への接近)が他者に見られることで自己の存在を確定するための機能をも持つという点だろう。2018/03/21

おかむら

3
笑いにもってきたいのか真面目に語りたいのか、ちょっと中途半端かな。育毛剤やカツラメーカーの歴史は楽しい。ところどころ出てくる遠藤周作先生のコメントがことごとくいい味わい。2013/07/06

ヒヨドリスキ

2
育毛剤からお医者さんへ相談になるまでの流れというか歴史についてが中心。客観的すぎて本気で悩んでいる人達の劣等感や内面に触れてなかったのは残念。2013/09/03

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