出版社内容情報
グローバルに活躍するユダヤ人。ノーベル賞受賞、世界企業の創業、医師や弁護士……。輝かしい業績を生む彼らの教養・教育への姿勢と実践を苦難の歴史に探る!
内容説明
ノーベル賞受賞者を数多く輩出し、金融界やマスメディアを支配。名だたる世界企業を創業、さらに、医師や弁護士といったエリート専門職も多い。そんなユダヤ人の輝かしい業績の秘密は、有史以前から連綿と続く、伝統に裏打ちされた教養・教育への姿勢と実践法にある。差別と嫉妬が入り混じる迫害を打ち破ってきたユダヤ人の行動の源泉を歴史に探り、引き継がれている独特の勉強方法を明らかにしよう。
目次
第1章 ユダヤ民族存続のカギは教育であった(旧約聖書に見る教育観;子弟教育の伝統 ほか)
第2章 都市の民―知恵と商才(中世都市への集住;金貸し業への従事 ほか)
第3章 すさまじい進出、あふれる業績(解放への動きと反動;ユダヤ的教育改革 ほか)
第4章 ユダヤ的教育、教養の伝統と日本(グローバルな民と伝統;ユダヤ人の子宝 ほか)
第5章 生き残ることへの情熱(五倍の納税額;知恵と教養、実践と行動、そして暴力 ほか)
著者等紹介
大澤武男[オオサワタケオ]
1942年埼玉県本庄市生まれ。上智大学文学部史学科卒、同大学院修士。ドイツ政府給費留学生、ヴェルツブルク大学より博士号を受ける。専攻はドイツ・ユダヤ人史、古代教会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
42
半世紀、漠然と感じていた・・でも小人の私は感じるだけという内容が簡略に述べられている。前半は世界史的に見たユダヤ人の歴史~大いに影を落とす宗教論。後半、やっと本の主題が展開する。前史時代から世界を股にかけた嫉妬の対象?とでもいうべき民族・・だからこそ神の教えを幼少時から叩き込まれ絶えざる勉学の精神を叩き込まれる。日本でいうような安っぽいグローバルではなく、生き抜くための信条のそれは重く厳しい。内在する問題が幾層にも困難化していく中で自己実現に対し消極的である現状は猛省すべき、ユダヤの逞しさを学ぶべきと思う2017/07/02
壱萬参仟縁
14
ユダヤ人の学識、教養、教育を重んじる伝統、気がまえ(021頁)を見習いたいものである。国や郷里を超越した精神的絆も強い、インターナショナルにしてグローバルだという(026頁)。彼らは意見交換、議論を好む(032頁)。対話志向で、教える側も教わる側も、日本の教育現場でも彼らから学ぶ必要がある。無教養ほど貧しい(115頁)。貧しくとも、知恵と教養を精神的財産と考えるのは学びたいことである(116頁)。ノーベル賞をみても生理・医学賞と物理学賞といった理系が強い(150頁)。失敗を恐れぬ個性的人財が世界の要請だ。2013/10/07
Saiid al-Halawi
7
どちらかというとユダヤ人が教育・教養をどう捉えているか、という説明がメイン。ユダヤ文化礼賛からの日本の教育政策disが止まらない。2014/01/24
左手爆弾
6
日本の教育への批判や、ユダヤの教育への礼賛はやや紋切り型。しかし、ユダヤ人がその歴史的な受難故にどこの地域や時代でも生きていけるような教育を施すような伝統があることは、大いに学ぶべきことだろう。ユダヤ人は金貸しとしてキリスト教社会を助けながら、常に証文を踏み倒されるなどの危険があった。だからこそ、空間や既成権力に捕らわれない教育が重要に成り、合理的思考と対話を重視する伝統が強いのだと総括できる。2015/08/25
嘉月堂
4
どうしてユダヤ人で優秀なのか知りたくて読みました。宗教教育と迫害から身を守るために頭を使ったことが理由なのかなぁー。筆者は受験勉強にうつつを抜かす温室育ちの日本人に警鐘を鳴らしています。そういえば優秀なはずのキャリアが変なことしてましたね。筆者の警告の傍証かな。2013/09/28