出版社内容情報
私に誤りはなく、私の価値観は絶対だ――愚かな人間のための唯一の仏教とは。なぜ念仏一行なのか。日本史上最大の衝撃を宗教界にもたらした革命的思想を読みとく。
内容説明
この世を生きる意味はどこにあるのか。私たちは、人生の「意味」を求め「物語」を必要とする存在である。とはいえ現実は、不条理と不安に満ちた人生の大海を漂いながら、答えのないままに、そのときどきの欲望に引きずられて生きてゆくしかない私。法然は、そうした自己愛、愚かさ、無知にこそ人間の本質があると認め、まさに「極悪最下」の者こそ救われる物語を用意した。悪人が善人になる必要はない、ただ生まれつきのままに、ありのままに念仏せよ―日本史上最大の衝撃を仏教界にもたらした易にして奥深い思想を、やわらかに解きほぐす入門書。
目次
第1章 「念仏為先」―すべては念仏のために
第2章 「念仏」を選ぶ―法然の生きた時代
第3章 「極悪最下の人のために極善最上の法を説く」―念仏の「力」
第4章 「おおらかさ」の秘密―専修念仏をどう実践するか
第5章 現世を生きるための「念仏」とは
補論 「伝記」から見た法然
著者等紹介
阿満利麿[アマトシマロ]
1939年生まれ。京都大学教育学部卒業後、NHK入局。社会教養部チーフ・ディレクター、明治学院大学国際学部教授を経て、現在、明治学院大学名誉教授。日本宗教思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeapple
20
所詮仏教とは似て非なる浄土教だと思っていたら、どっこい凄いぞ法然。末法思想、大乗仏教という流れから出た日本的な正統派仏教なんだ。『選択本願念仏集』に進みたい。2019/01/24
かず
9
仏教に限らず思想書を手に取る人は、自己を陶冶したいとか改善したいとか、そういう思いが根底にあると思うのだが、そう考える人にとって、浄土門の「易行で救われる」という教えはにわかに信じがたいし受け入れがたいものではないかと思う。称名念仏は唯「南無阿弥陀仏」と唱えるだけの簡単な行であるが、「それで救われる」とは容易に思われない為、逆に難行であるともいえる。平安末期の念仏者への迫害は、常識的な観念からすれば当然ともいえ、それを乗り越えて今も法統を伝えているのは、そこに多くの凡夫の切実な願いがあったからに相違ない。2016/09/01
moonanddai
7
(個人的な感慨でいえば)ようやく法然にたどりついた。ただ、中世の時代背景などからも、読み直さなければならないだろうな…と考えています。 阿弥陀様の本願、衆生済度、極楽往生も「縁」(信心?)があってこそ…、そのための専修念仏、念仏為先ということなのでしょうか…。先は長い。2021/12/12
にゅ
7
法然上人と浄土宗についての解説がかなり分かり易い。私の家系は浄土宗なのだが、法然上人についてはほぼ知識がなかったので読めて良かった。歎異抄の解説本であまり腹落ちしなかった部分「なぜ簡単な念仏だけで浄土入りできるのか」について、「念仏は自身の行為であるとともに阿弥陀仏の行為でもあること」また「念仏を唱える際の信心や真心の深さ浅さが論点にならないこと」など、特に理解が進んだ。法然上人と親鸞上人の対比や浄土宗と浄土真宗とに違いはないという話も面白かった。2020/11/20
海星梨
4
レポート用。こう……物足りない感があるのは、宗教者の史実は判然としていないからか、それとも著者の力不足か……?法然の思想のバックグラウンドなどが述べられていますが、著者の主張したいもの、という側面を強く感じました。なぜでしょう……。2019/01/09
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