内容説明
誰からも傷つけられたくないし、傷つけたくもない。そういう繊細な「優しさ」が、いまの若い世代の生きづらさを生んでいる。周囲から浮いてしまわないよう神経を張りつめ、その場の空気を読む。誰にも振り向いてもらえないかもしれないとおびえながら、ケータイ・メールでお互いのつながりを確かめ合う。いじめやひきこもり、リストカットといった現象を取り上げ、その背景には何があるのか、気鋭の社会学者が鋭く迫る。
目次
第1章 いじめを生み出す「優しい関係」(繊細な気くばりを示す若者たち;友だちとの衝突を避けるテクニック ほか)
第2章 リストカット少女の「痛み」の系譜(高野悦子と南条あやの青春日記;自分と対話する手段としての日記 ほか)
第3章 ひきこもりとケータイ小説のあいだ(「自分の地獄」という悪夢;「優しい関係」という大きな壁 ほか)
第4章 ケータイによる自己ナビゲーション(ケータイはもはや電話機ではない;「ふれあい」のためのメディア ほか)
第5章 ネット自殺のねじれたリアリティ(ネット集団自殺がみせる不可解さ;現実世界のリアリティの希薄さ ほか)
著者等紹介
土井隆義[ドイタカヨシ]
1960年山口県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。社会学を専攻。博士(人間科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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