出版社内容情報
大学での授業の受け方から、大学院レベルでの研究報告や社会に出てからの書き方まで含め、執筆法の秘伝を公開する。近年の学問的潮流も視野に入れた新しい入門書。
内容説明
大学生にとって、論文を書くとはどういうことか。誰のために書くのか。何のために書くのか。大学での授業の受け方や大学院レベルでの研究報告書の作法、社会に出てからの書き方まで、論文執筆の秘伝を公開する。かつて流行った決め言葉の歴史や、カルチュラル・スタディーズが隆盛となったここ最近の学問の流れをも視野に入れた、実用書でもあり、読み物でもある新しい論文入門。
目次
第1部 秘伝 人生論的論文執筆法
第2部 線を引くこと―たった一つの方法(なぜ線を引くのか、あるいは線の仕事;自己と他者;国境と政治;「われわれ」と「彼ら」)
著者等紹介
石原千秋[イシハラチアキ]
1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、早稲田大学教育学部教授。専攻は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組みを使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、「国語」教育、とくに入試国語の読解を通した問題提起も積極的に行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
30
これから作家になりたい、または文学部に入って文学を勉強したい高校生におすすめの本。大学生の生活がイメージできるし、本についての知識もつく。2015/07/05
逆丸カツハ
19
久々に読む。若い人に勧めたい本。ダーメな大人になっちまった。2025/01/04
katoyann
19
大学生向けに書かれた、レポート及び論文を書くための入門書的な本。エッセイ調の文体であり、私的体験も交じるので、学生が興味を持って読めるかどうかは微妙だ。むしろ、教員としての学生指導に関する考え方が参考になった。今は大学も大衆化しているので、一方向的に講義するのでなく、大学で学修するのに必要な文章表現のスキルを向上させるために、教員は学生の文章を添削した方が良いという意見は正しい。例文を示しながら、二項対立図式を用いて、筆者の立場を明確にすることが論文の基礎であるとする見解はやや高度だが、参考になる。2023/04/05
viola
9
院生も対象、ということで読んでみました。確かに勉強になります・・・・が、せめて投稿論文完成前に読みたかったかなぁ。もっと毒舌なのかと思いきや、思ったよりもそうでもなかったです。著者は夏目漱石専門の大学の先生。個人的には漱石が日本の作家でもっとも苦手なのですが、国は違えども同じ文学専門なので面白い。2章構成となっており、1章は大変面白いのですが2章はつまらなかった・・。ちなみに、著者が「これくらいは読んでおくべき」だと記していた本は何一つ読んでいませんでした(苦笑)専門が違うもん!と思いたい・・2011/08/20
読書実践家
8
知の広がりに線を引く、論文という形式の深さを知った。2016/04/22