内容説明
「哲学を学んでみよう」と思い立ったはいいが、そのあまりの多様さと難解さにひるんでしまう人も多いはず。しかし、それぞれの哲学者をほかの哲学者とのかかわりにおいて眺めてみると、「なぜそれが問題になるのか」「どうしてそういう考え方をするのか」という哲学の勘所が見えてきます。古代ギリシアから現代哲学まで、西洋形而上学から東洋思想までを網羅し、哲学を「思考の道具」として徹底活用するための実用ガイドブック。
目次
哲学の出発点
古代ギリシャ
中世における神と人間
近世における転回
哲学の「頂点」―近代
近代の不安
現代哲学へ
現代哲学(言語分析;現象学と実存思想;構造と流動性)
哲学マッピング
東洋思想
哲学で見る世界
哲学の問い、ふたたび
著者等紹介
貫成人[ヌキシゲト]
1956年神奈川県に生まれる。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、専修大学文学部教授。博士(文学)。現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊研究を専攻する
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感想・レビュー
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chie
25
主要な哲学の概略と、それぞれの哲学の関係が時系列に示されている。現代に近づく程、思想が複雑になり、私にとっては入門書以上だった。それぞれの哲学が関連し合っている、ということは、共通の問いがあるということではなかろうかと思うのだけれど、現代に近づくにつれて、哲学は何を問題にしているのか分からなくなってくる。著者の様に哲学を一望するには、やはり容易なことではないなと思った。私は今どこにいるのか、いつか、それが分かる時がくるのだろうか。分からないけれど、哲学にもマップが必要なことだけは分かった。2025/03/16
佐島楓
19
知識の整理能力に限界を感じて購入したのですが、良書だと思いました。図なども理解しやすく、文章もひどくわかりにくくはないです。おおまかな哲学史を知りたい初心者向け。これからは各思想家の入門書を読みつつ、自分の頭を柔軟にしていきたい。2011/09/14
takam
16
哲学をストーリー的につながりを持って学ぶためには良い本だと思う。これまで個々の哲学者の主張というものをおぼろげに理解していたが、歴史的な流れが分かることで誰が何を扱い、誰を批判したり継承しているかが分かる。難しい哲学書を取る前にこのくらいの本のほうが私にはあっている。2020/09/09
はら
16
多くの哲学者の哲学を簡潔に(著者の解釈も入っていると思われる)述べられているが、それでも情報量が多い。哲学全体の概観、哲学者のそれぞれの主張概要をつかむのには良書。哲学者たちがどの立場にたって主張しているのかを描いた図が凄いわかりやすい。まさに 哲学マップ が自分の中にできた。哲学に限ったことではないけれど、何かを知る時に全体を掴んでおいた方が理解の深さも速さも段違いだと思っているので本書はまさに全体を掴む助けになった。哲学関連の本を読んでどの位置から主張しているのか分からなくなったら読み返したい本。2018/06/27
里馬
13
世界各知を跳び廻れ。この番外編地球の歩き方、は一体どれほど僕を鼓舞/慰撫してくれるのだろう。素晴らしいガイドブックでした。内田樹「寝ながら学べる構造主義」と併せておススメです。2011/02/25
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